春は温かい風を誘って

桜や鶯の声を風に乗せて

空に優しい色を着けながら

もうすぐ知らせにやって来る


言葉もなくて

自分の名も告げないで

誰の名前も呼ばずに


いつの間にか暖かくなって

土の中の虫たちが

目を覚ます頃

音のない足音だけが

残っている


Kei *春の足音