ベテラン助産師の本村啓子です
母乳とミルクは、赤ちゃんに栄養を提供するため必要不可欠なものです。
どちらも赤ちゃんの成長と発育に必要な栄養を提供しますが、
成分、免疫効果、利点、注意点など、いくつかの違いがあります。
今回は、母乳とミルクの決定的な違いについて、初めてのママにわかりやすく説明します。
母乳とミルクの成分の違い
母乳の成分
母乳には、赤ちゃんの成長に必要な栄養素が均等に含まれています。
タンパク質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラル、水分など、バランスの取れた栄養が含まれています。
右のホエイの消化のよい部分が多いです
母乳は赤ちゃんの未熟な消化器官に優しい形で提供され、吸収が効率的です。
さらに初乳と生乳でも成分は違います。
初乳(妊娠16 週頃から産生,産後2 日くらいまで)
① たんぱく質濃度が高く,特に乳清蛋白中には免疫グロブリンやラクトフェリンなどの感染防御 因子が豊富である。
② βカロテンを多く含むため黄色っぽい。
③ ナトリウム(Na),クロール(Cl)を多く含みたい便の排泄をうながす
成乳(産後3 日以降)
① 初乳と比べて蛋白質濃度が低く,乳糖と脂肪の濃度が高くなる。
② 成乳になるにしたがって青白色で半透明の母乳へ変化する。
③ 初乳と比べてNa,Cl 濃度が低い。
ミルクの成分
栄養素の調整
ミルクは母乳に似た栄養素を含むように設計されていますが、
厳密には母乳の成分と異なります。
ミルクは、乳タンパク質、乳脂肪、糖類、ビタミン、ミネラルを含み緑色の
固まりやすいカゼインが多いため消化が母乳に企画するを遅いです。
抗体と免疫成分
母乳には、抗体、免疫グロブリン、白血球などの免疫成分が含まれており
赤ちゃんを感染症から保護し、免疫系の発達をサポートします。
免疫物質である分泌型 IgA,ラクトフェリン、リゾチーム,マクロファージ(リンパ球の一種)が入っており
胃腸や粘膜に広がりウイルスや細菌,アレルギー物質の侵入を防いでくれます。
※ ラクトフェリンー鉄結合性の糖たんぱく質で,含量は哺乳類の中でヒトの乳で最も高く
特に成乳より初乳に多く含まれ ます。
また母乳は、将来のアレルギーや喘息のリスクを低減させることが示されています。
ミルクには母乳に含まれる抗体や免疫成分がほとんど含まれていません。
そのため、免疫システムのサポートが限られています。
赤ちゃんのあごの発育
母乳を吸うことは直接授乳により上あごや口周りの筋肉が発達し,歯並びや顔面形成がよくなる
ミルクも現在は、吸啜しにくい乳首などが出ており、乳首を選ぶことで歯並び効果は得られます。
母親側のメリット
射乳ホルモンのオキシトシンが子宮の収縮を促し(子宮復古),出血量を減少させる
乳汁産生ホルモンのプロラクチンが,排卵の再開を遅くすることで自然な出産間隔を調節する
母親の閉経前乳癌,卵巣癌,子宮体癌を予防するなどの効果もあります。
母子の絆
母乳による授乳は母子の絆を強化し、スキンシップを増します。
ミルクの場合も、しっかりと抱っこしたりスキンシップを取ることで補えます。
利便性
母乳は、持ち歩く器具もなく手軽の上げれます。
ミルクは準備が簡単で、家族などが育児協力をするのに役立ちます。
まとめ
母乳は最適な栄養と免疫効果があります。
母乳とミルクのどちらを選ぶかは、個々の状況や好みに依ります。
母乳をあげれない場合も、ミルクをあげる場合も
育児はじゅにゅうだけではないので
自信をもって行うことが大事です。
さらに言うと、信頼と愛情が赤ちゃんには一番大事ですね^^
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