BL読書感想文 -8ページ目
名倉和希
ダリア文庫
逆月酒乱
⭐︎
国際的大企業の日本支社長 × 日本語教師
ウブなバージン受
恋知らずの遊び人攻
ハイライフ(舞台は高級ホテル)
高校教師の時広(受)は
同僚教師のストーカー行為を苦に
退職を余儀なくされる。
そして友人からの紹介で
彼の会社に新しく赴任する
外国人社長アーサー(攻)に
日本語を教えることに。
華やかに見目麗しい青年とのラブアフェアを
たのしんで暮らしてきた男と
ストーカー被害からすっか萎縮して
後ろ向きなモッサリ日本神青年との
本来出会わなかった2人の恋物語。
キャラ設定が甘いかな
ウブで亀のように引っ込み思案な受に対して
アーサーはもっと唯我独尊、俺様イケメン攻攻な
強気キャラにして欲しかった。
今まで遊び倒してきたイケメン社長が
はじめての恋に打たれるそのギャプを
出すために時広が磨かれて可愛くなっていくまでは
もっと偉そうでいて欲しかった。
そして恋に気づいてからのオタオタっぷりを
もっと楽しみたかった。
そのためのギャップなのに。
そこが足りなかった。
対して時広の童顔人見知り日本人キャラ設定は
完璧だった。
外国の男の人が思わずキュート!!って
叫んじゃいたいくらいの可愛さウブさですね。
アーサーさんとの距離の縮め方を丁寧に描くためにも
時広のストーカー被害設定まで
盛り込み 過ぎてたんじゃないだろうか?
ただの引っ込み思案な青年設定じゃ
駄目だったのかな?
なんかこの設定の経緯説明にページが
さかれてて2人の恋愛過程がおろそかなんだよね。
とにかく消化不良かな。
砂原糖子
キャラ文庫
笠井あゆみ
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
作家 ×新米編集者
初めて同士
年下攻
俺様攻
美人受
ヘテロ受
業界モノ(出版)
担当ファッション誌の休刊に伴い畑違いの文芸誌に
配属となった晶川(受)。
慣れない世界に加えて
初めて担当する本屋敷(攻)は、
とんでもなく横柄でだらしなく
執筆もせず居ついた猫たちとダラダラする
だけのいけ好かないヤツだった。
同じ部署の奴らにも本屋敷にも一矢報いて
やりたいと肩で風知って夜の街を、歩いた先に
思わず飛び込んだのがゲイバーだったりして、
店にはあのいけ好かない作家先生が居て…
有り勝ちな展開ながら
ヘテロな受がこれまた男経験のない攻と
試行錯誤、七転八倒しながら身体をつないで
心も繋いでいく過程が
この手の話では珍しくて、
新鮮な気持ちで読めました。
又、受主の晶川さんが美人なんだけど
結構口が悪くて
攻主の本屋敷ならぬ猫屋敷先生も
さすが作家なので独特の屁理屈で
2人の会話劇が楽しい。
又、初期の2人のHシーンは
猫屋敷先生が男性経験発で
男子高校生並みに盛っちゃって
余裕なし&ガツガツで
なんだか可愛いのに対して
晶川さんがひたすら気持ち良くなく痛いのを
必死で我慢したりして
リアリティを感じた。
(そだよね、いきなり気持ち良くなんて
ならないよね。)
でも少しずつ心を通わせて行って
本屋敷先生はゲイかどうかもわからない
あやふやなポジションから
初めて晶川さんと経験して
一気に炯眼したみたいで
恋まっしぐら!で
猫というよりワンコ攻。
対する美人でヒラリヒラリと
本屋敷先生を翻弄する
ヘテロ晶川さんこそ猫のように
身体をエサに原稿を巻き上げるその手腕
お見事。
本屋敷さんは初めて覚えた男のカラダに
原稿を書いて書いてひたすらおねだりして
ホントに忠犬君のよう。
そして2部では
めでたく恋人同士になった後
迎えるはじめての本屋敷先生をのジェラが
これぞワンコ攻と
言いたくなる王道嫉妬で
甘々です。
でもただだらしないだけじゃない
やるときはやる良いワンコ。
ピンチの時にはいいとこ見せて
晶川さんを惚れなおさせちゃいますよ。
宮緒葵
ガッシュ文庫
小山田あみ
⭐️⭐️⭐️
御台所×将軍
時代劇 (なんちゃって江戸)
猫かぶり攻
天然無自覚タラシ受
惠渡幕府8代将軍光彬(受)には
妖艶な美しい御台所・純皓(攻)がいる。
昼は貞淑で楚々とした佇まいだが、
夜になると野獣のような性欲で光彬を翻弄する。
そんな2人の濃密な時間を邪魔する事件が
またしても起きる。
今度は惠渡の街での付け火騒動。
その背後に隠された
将軍暗殺の企て!!
大人気お江戸ものシリーズ第4弾
良い意味でミスキャストが癖になるシリーズ。
えっ!!そっちが攻だったの?みたいな。
(又、『桜吹雪は月に舞う』は別カプ主ですが
このシリーズにも出てくるキャラなので
読んでみてもイイですよ。)
しかし、少々マンネリが…
テレビシリーズ『暴れん坊将軍』のように
毎度毎度新しい事件物でシリーズ化するにも限界が。
2人の絆を確かめイチャラブするには
今後舞台を京都に移して純皓絡みの闇組織を
活かした『必殺仕事人』っぽい世界観も
出してみたらどうでしょうか?
徳川将軍家光のように帝を訪ねて
京都に純皓と共に上京して
組織間対立に巻き込まれるとか
どうでしょうかね?

