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樋口美沙緒
キャラ文庫
yoco
⭐️⭐️

名門貴族の会社社長×  天涯孤独な青年

英国
身分差

イギリス名門貴族の御曹司で
世界的企業のCEO・エド(攻)と、
出版社て働く礼(受)は、世界を股にかけた
遠距離恋愛中。
想いを確かめ合ってから初めて
礼のイギリス出張により、
久しぶりに二人の暮らしが
始まろうとしていた。
 会えない時間を埋めるような甘い生活を
夢見る中、現実はかなり冷たく礼の上に
のしかかってきて…

『パブリックスクール』第3弾
エドや礼が社会人となった時代のお話
この巻単独でも独立してるので
読めなくはないですが、
登場人物への感情の寄り添いには
1冊目からの読書をお勧めします。

この巻には
ボーイズラブファンタジーの
苦味がほんの少し混じっています。
もちろんファンタジーなので
現実社会はこんなもんじゃないんだろうけど
イギリスの名家という舞台を基に
現代での同性愛の難しさや周りの反応などが
お話をしらけさせない
程よいスパイスで描かれていたと思います。
1.2巻で使い世界の象徴として
閉鎖的空間(パブリックスクール)が舞台として
使われていましたが、
今作で礼が思うように
(パブリックスクールという閉鎖空間が二人の
    マイノリティな関係を包み込んで隠し守ってくれていた)
現実社会でマイノリティとして
正直に生きていく事は、
階級社会が明確化していたパブリックスクールより何倍も何十倍も厳しいモノなんだろうなと
考えさせられます。
  それは時にはシンドイ取捨選択であっても
ただの優しさだけでなく鬼になってでも
貫き通せるだけの強さも必要なんだと
気づき、
覚悟を決める礼とそうさせてしまっている
負い目を感じつつ、前だけを見て進む
王者のエドに幸あれ


短編『八年目のクリスマス』は、
エド視点で描かれていて
意外にヤキモチ焼きで可愛いエドが見れますよ

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成瀬かの
プリズム文庫
六城ポゴ
⭐️⭐️

大貴族の子息 × 現代日本から迷い込んだ青年(男娼)

異世界ファンタジー
身分差
年下攻
モブH有り
見受け
軟禁過保護


楓月(受)は、グロスハイム王国の迷い人だ。
現代の日本から訳も分からず
いきなりこの異世界に、
飛ばされてきた。
何も分からないまま娼館に入れられ、
毎日汚い男たちの相手をさせられていた。
 そんなある日
繊細な美貌の人気を聞きつけ
楓月に貴族の指名客がつく。
 貴族の客たちから
リーンハルト(攻)の筆下ろしを頼まれて…

初めてのジャンルのBL
異世界に現代人が迷い込んでの
ストーリー世界は初
意外にこの分野は開拓の余地ありそうでワクワクしますね。
 書き手によっても
しっとりから
コメディまで幅広く描かれそうなジャンルですよね。
(山藍先生だったらもっと儚げ受で
   エロエロな作品を仕上げそう ドキドキ)

今作品では
受の喋り方が
現代っ子のさばっとした感じで
悲壮感がありません。
男娼に身を落としても
腐らず、反骨精神で
生き抜いています。
たくましい年上受なので
筆下ろしされた攻のリーンハルトは
楓月の聡明さや母性に惚れ直しまくってる感じです。
しかし、リーンハルトも読者には見せないけど
かなりイイ性格してるのかも⁈
(筆下ろしで上手く出来なかったからって
    楓月に再会するまで場数を踏んで経験値
    あげにきてるなんて、
    楓月じゃなくてもその辺の話は聞き出したい)


リーンハルトが楓月を見受けした後も
住む世界の違う2人は
なかなか両思いになれません。
この辺りは楓月の男としての矜持が
勝っちゃってるんでしょうね。
元々ヘテロで好きで
男に抱かれたい訳ではないから
リーンハルトのネコッ可愛がりが
疎ましく、
流される自分自身も許せなくて
ある日リーンハルトの邸から
飛び出してしまいます。
楓月がリーンハルトへの
愛を自覚するのは
それからなんですよね。
この籠からの逃亡は
楓月が
この世界で生きていく
男を愛する
覚悟を決める為に大事な通過儀礼
だったんだと思いますね。

面白い世界を紡ぎ出した成瀬先生
胸に刻んでおきます。


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谷崎泉
シャレード文庫
藤咲なおみ
⭐️⭐️⭐️


大物ヤクザ × 愛人


ヤクザ
異国舞台  香港 フランスなど
総受
シリアス


前作『目眩』をお読みになってから
こちらをご覧くださいね。


ヤクザの遠峰(受)に連れられて香港で
監禁同然の暮らしを送る光一(受)。
遠峰の仕事を手伝うために語学の
家庭教師として雇われた青年・エリック
と出会い鬱々とした光一の心を少しずつ
明るくなっていくのだが、
遠峰のアジア圏での仕事絡みで
光一の周りもきな臭くなってきて…


前作が
少しコメディ要素あったのに
今作はかなりシリアスです
でも個人的にはこっちの方がかなり
好きです。
前作では始終受け身で流され体質だった光一が、
自分の遠峰への気持ちや
自分がどう在りたいのか、を考え
自らの選択で一つの決断をします
(ここ重要なとこなのでナイショです)
『目眩2』は、光一の成長物語です。
そして光一の、目眩は治ります。

そして、香港でも光一はモテモテです。
(オム•ファタール)です。
あちこちでエロスにまみれるところは
往年のロマンス小説の巨匠
ローズマリー・ロジャースの
ヒロイン・ジニイに匹敵するくらいですね笑

作品の最後の最後のシーンが
じーんとします
時間、場所いろいろ巡りますが、
そうやってやっとたどり着ける
恋の形なんだなと納得できました

作画とか個人的に
いろいろ前作でも不満を、書きましたし
今作でも別の作画で読みたい気持ちは
まだ有りますが、
作品世界の奥行きなどは
さすが谷崎先生とうならせて頂きました。