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尚月地
ウイングス・コミックス
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

巡査 × 謎だらけのよそ者


BL作品認定ではありません あしからず
シリーズ作品なので前巻までをお読みいただくことをオススメします。


ファンタジー
耽美
ミステリー
コメディ

故郷へと旅立った詩郎(受けっぽい)と
そんな詩郎をほっとけない
正義感の強い
光路郎(攻めっぽい立ち位置)の2人が、
遭遇する人々とのドラマ。
この巻で独立、完結します。
  今回は詩郎の出身地の世界組織の中で、
貴族階級にスポットを当て
その階級に属する女の
哀しい運命にまつわるお話ー
 絶大な生命力と力を持つ故に
己の命と引き換えに
恋をし、夫を愛し、
我が子の誕生と引き換えに
死ななければならない
貴族階級の女の運命
 そんな刹那的な運命故に
己より下の階級の男どもを
虐めて憂さを晴らす事しか
生きる意味を持たない
1人の美少女・桃花
そんな彼女のワガママに
健気に従う乳姉妹のシマ、
密かにシマを慕う桃花の婚約者・金星
  彼女たちの悲遇にお節介正義漢の光路郎と
詩郎の2人は…


江戸川作品好きな方だったら
間違いなくはまる幻奇ファンタジー。
今回は詩郎達が、
最下層のエリアを抜けて
次の貴族階級のエリアで遭遇するドラマ。
 上記した通り貴族と言えども
女に産まれるとかなり
辛い境遇なんだな、というのが
今巻で分かりました。
 尚先生は毎回こういう設定って
どれぐらい事前に作り込んでおくんでしょうね。
ある程度ガチッと決めてからお話描き進めてるんでしょうか?
それとも出たとこ勝負?
 いつもながら
緻密な背景描写も、さることながら
こう言った世界観に感心させられっぱなしです。
 今回はエロギャグ要素は控えめで
詩郎の故郷に暮らす人々の過酷な社会構図が
深く掘り下げられていきます。
 そんなシリアス要素をホッと和ませてくれるのが
時々本編に割り込んで入る
詩郎の兄弟子・安里の破天荒っぷり。
安里は弟弟子の詩郎が帰っていると
はたして知っているのかいないのか
いつも以上にハレンチでドタバタな
日常を繰り広げてます
果たして彼の真意やいかに?!


今回組織幹部贔屓の皆様には
登場シーン少ない残念な巻かも⁉︎
詩郎と光路郎メインのお話展開になってます。
しかし、だいぶお話は脇道にそれず
本流を進んだんではないでしょうか?
  早く続きが知りたい!読みたい!
これが皆の本音じゃないでしょうか。


  




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いさか十五郎
タリアコミックス
⭐️

売れっ子ゲームプロデューサー × フリーター
復活愛 再会
年下攻
腹黒ワンコ攻
無自覚失礼キャラ受

30代、金なし彼女なし、おまけに定職なしの
フリーター加古(受)は、
ある日大学時代に付き合っていた後輩の男・北村(攻)に再会する。
 売れっ子ゲームプロデューサーとし
て成功した北村に流されまま身体を重ねてしまう。
 可愛くって懐っこかった可愛い後輩だった北村が
帰りがけ
『身体を買ってあげますよ』
冷めた目でお金を投げ捨てて去る‼︎



完全表紙負け、
ゾクッとするほどの
ひりついたヤンデレな世界を
期待していたのですが、
北村君の隠しても
ただ漏れしてしまう加古さん愛で
非情になりきれない。
又、無自覚無神経男の加古さんも
(いるいる。こんな人 本人悪気はないんだよね。
 分かる〜)
っなキャラで、嫌いになれない。

前半の北村さんの 自分へ愛に気づかなかった時と
後半の気づいてからの態度も
キチンと正してくるところなんかも
ホントは良い人なんだよね。と感じてしまう。

皆さんも薄々お感じのように
タイトル【無条件降伏論】は、
一見、加古さんの北村さんに対する
意識のようでいて
実は、北村さんから加古に向けてのベクトル
何ですよね。
無神経で天然な北村さんだと分かってても
悪気はない男らしく良いカラダの加古さんに
メロメロ完敗の北村さんなんですよね。

もっと濃厚な2人の世界を見てみたかった。
2人の両想いへの過程が薄かった。
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水原とほる
キャラ文庫
新藤まゆり
⭐️⭐️

対暴力団担当刑事 × 元ゲリラ少年兵

刑事
過去
年の差
クール攻
無口受
Hシーン少なめ


政府の人質交換により
日本国籍を持つ
元ゲリラ少年兵アンジェロ(受)の
身元引き受け人となった真淵(攻)。
 真淵がアンジェロの引受人となったのには
過去の贖罪があった。
  刑事でありながら、アンジェロの父親であった
暴力団幹部の横山と親友とも言える
深い友情で結ばれていた。彼の遺児である
アンジェロに普通の幸せな暮らしを
取り戻して見守るとが横山への供養になると
アンジェロを引き取るが、
過酷な紛争地域でのゲリラ兵としての
刷り込まれた思考は
なかなか拭い難く…

 そんな中、横山を敬愛し真淵を恨む
暴力団幹部の男に
アンジェロの存在を知られて…


真淵とアンジェロのBL描写さえ
なければこのまんま
映画にできそうな
良質なストーリーです。
アンジェロのトラウマ
真淵達対暴力団担当刑事の
ひりついた日常の風景、
どれを取っても
映像が眼に浮かぶような
丁寧な描写です。
個人的には全くBL関係ありませんが
真淵の職場での
上司や先輩との会話のやり取りが
刑事ドラマを見てるような
興味が掻き立てられて
とても良かったです。
BL要素は薄いので
一つの刑事モノ小説としてや
『菊次郎の夏』的な人情ドラマとして
楽しんでいただけたら
良いのでは、と思います。
一読の価値あり。

さすが闇社会書かせたら
随一の水原先生だな

早く落ち着いて下さいませ。