基礎合奏のメニューだけでは基礎力がつかないワケ

 

こんにちは、クラリネット&ボディシンキングコーチの渋谷啓子です。

 

全体練習の初めに、基礎合奏をやっている吹奏楽部は多いと思います。

 

全員でロングトーンや音階を演奏する基礎合奏。

 

個人やパートでもそのメニューのみを基礎練習としてやっている、という生徒さんたちによく出会います。

 

でも、残念ながら基礎合奏のメニューを一生懸命やるだけでは、基礎力はつかないんです。

 

今回は、その理由とどうすればよいかをお伝えします。



基礎合奏はとても大切な練習です。

 

ロングトーンや音階など単純な音を使って、合奏(バンド)全体のサウンドを作ったり、音程や音形をそろえたり、ハーモニーを合わせたりします。

 

合奏は周りの人と「そろえたり」「合わせたり」「共鳴したり」する力が必要ですよね。

 

それをリズムや音の動きが複雑な実際の楽曲ではなく、まず単純な音でトレーニングしていくのが基礎合奏なんです。

 

また、どの楽器も共通するリズムの練習や、呼吸の練習を取り入れている団体もあります。

 

つまり、「一緒に演奏する力」や「他の楽器にも共通する基礎力」は身につけることができるのですが、「その楽器ならではの基礎力」は基礎合奏だけでは身につかないんです。

 

例えば、クラリネットにしかないレジスターキーの使い方。

 

ラ~シの独特な指の動かし方。

 

アンブシュアの調整。

 

などなど。



また、全ての楽器の初心者からみんなで一緒にできる基礎合奏では、狭い音域しか使いません。

 

でも、それだけだと実際の楽曲演奏には全然足りません。

 

特にクラリネットは音域の広い楽器なので、低い音から高い音まで良い音で吹けるような練習が必要です。

 

金管楽器も徐々に音域を広げて行くためには、基礎合奏と同じメニューだけでは足りません。

 

ですから、個人練習やパート練習では、その楽器その楽器の特性を理解して、また個人の熟達度を考えて、必要な練習をプラスする必要があるんです。




基礎合奏のメニューもとてもよく考えられた有益なものがたくさんあります。

 

他の楽器の先生や先輩のアドバイスが役に立つことも多々あるでしょう。

 

その楽器ならではの練習メニューや、個人の課題などが分からないという時は、その楽器の専門の先生たちに相談するのがオススメです。


基礎合奏でできることと・できないこと、を改めて見直して、個人やパートの基礎練習を考えてみると、ぐんぐん基礎力がアップするかもしれませんよ。

 

音楽を楽しんでくださいね。



山形市はもちろん、天童、寒河江、高畠、新庄、鶴岡、などからもレッスンに来て下さっています。

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