「ゴジラxコング 新たなる帝国」
アダム・ウインガードが「ゴジラVSコング」を監督すると聞いた時は、畑違いではないかと思ってしまったのですが、その出来の良さは別にしても続編まで監督するのは驚きでした。
しかし、実際に映画を見て思ったのは、前作ではあまり感じられなかった、彼はこうしたジャンルも好きなんだという感じが実に伝わってきました。
こうしたジャンルが好きだというと「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」のマイケル・ドハティもそうだと思うのですが、ドハティの場合は、あまりに東宝の怪獣映画が好きすぎて、東宝怪獣映画の悪いところまで引き継いでしまったかのような問題があった。
ウィンガードは、前作ではたぶん自分の気持ちを抑えて完成度の高さを狙ったのかと思いますが、前作の好評をうけて作ることができた本作では、自分の気持ちを多分に表出して見せたのかと思います。東宝だけでなく、様々な怪獣映画へのオマージュが感じられてファンとしては感涙ものでした。
冒頭から怪獣どうしの争い。これこそ「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」で見たかったという感じ。
前回はもったいないくらいチラッとしかみせてくれなかった空洞世界が今回はメインになるわけですが、アップル・テレビの「モナーク」とは齟齬が出てしまっている。「モナーク」のシーズン2はどうなるのかと思いますが、そういう心配はしないで見るのが吉。
まあ、それは別にしてみても話にアラがあるのは確かですが、そうしたことを気にしたくなるくらい快調なペースで面白く見ることができました。
夢幻的な美しさを強調した「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」と対照的に不気味さが強調されたモスラが一番印象に残る。
前作に引き続きのレベッカ・ホールの美しさが際立ちませうが、新登場のダン・スティーヴンスも愉快なキャラでよかった。
ジャンルに関わらず人間描写に手を抜かないのがウインガードの特徴でそれが生きていたと思います。