「かてぃん」こと角野隼斗さん、今では、登録者数131万人のYouTuberピアニスト。
ステージに本人が出てきたときは、「おお!本人だー!キャー!」という、ミーハー感でワクワクしてしまいました。(笑)
#画面で見るよりやっぱりかっこよかった
ステージには既にピアノの脇に白い球体のスタンドのライトのうようなものが置いてあり、始まる前からわくわく。
前半のプログラムは、グランドピアノ「だけ」の演奏で、バッハのイタリアンコンチェルトと、モーツァルトのK331のトルコ行進曲付きのソナタ。そして、それを受けて、自身のアレンジ曲24調によるトルコ行進曲。
ステージに置いてあった白い球体は、調が変わったら分かるように、調の変化に合わせて色が変化していった。
作曲家たちは調それぞれに決まった色のイメージを持っているという話はよく言われていることだけど、それを実際にライブの演奏で視覚的に表現しながら演奏したのは面白かった!
転調したのが分からない人でも、音色の変化と共に楽しめたと思う。
そして、何より、バッハとモーツァルトもすごく良かった。
彼のYouTubeを見ていてずっと思っていたことは、とにかく指先の感度がものすごく高いんじゃないかということ。(ま、指先だけではないが…、身体の使い方ろか、耳も・・・。)
この福島の残響の長い音楽堂で、一音一音がクリアに、繊細に、それはそれはきれいな音だった。最初から最後まで惹きつけられながらバッハ、モーツアルトを聴いた。
#イタリアンコンチェルト、弾きたくなった
後半は、さらに彼の本領を発揮したプログラム。
グランドピアノに加えて、自分が改造したアップライトピアノ、チェレスタ、トイピアノと鍵盤ハーモニカ。あらゆる鍵盤楽器がステージに並べられて自作の曲が演奏された。
これはね、一度は見たほうがいいね。
YouTubeでみるより、やっぱり、より音色の変化を楽しめる。
目をつぶっていたら、とても一人で弾いているようには聞こえない。
彼の、頭脳と、アイディアと、超絶技巧と、音楽性が満載で、彼の「俺がやりたいことはぜんぶやってやる」っていう、自由でわがままな自分の夢を、夢に終わらせずに、実行している姿が本当に楽しそう!
彼の指先の繊細さは、この楽器を弾き分けるところにもある。
あらゆる鍵盤楽器、トイピアノだろうが、電子ピアノだろうが、鍵盤ハーモニカだろうが、
「この楽器は、どういう風にタッチしたら、この楽器にとって一番いい音がでるか」を瞬時に察知する能力が、すごく長けているんだと思う。
だから、私みたいに、グランドピアノの弾き方で電子ピアノを弾いて、「弾きづらいなぁ~」とは言わないわけ(笑)
電子ピアノには電子ピアノの弾き方があって、それぞれの楽器に合わせて弾く。
で、
さらに彼のすごいのは、1曲の中で、いろいろな楽器を次々と弾いていく。
曲の途中で、いきなりチェレスタで弾いてみたり、右手だけトイピアノで弾いたり…
それって、瞬時に、しかも右手左手の弾き方をそれぞれの楽器に合わせて変えているってこと。
あのスピード感で、音楽性を保ちつつ引き分けるとは。
天才。
最後のボレロは、本当に素晴らしかった。
正直ね、ボレロのピアノ版は、飽きちゃうことが多い。オーケストラだったらいいんだけど、ピアノでずーっとあの同じメロディー聴いてると、ちょっと途中であきちゃうのよね。
でも、徐々に盛り上がっていく変化に合わせて楽器を変えていく。
(ちょっと脱線するかもだけど、最後の盛り上がって終わるところは、両手でグランドピアノだった。ここであらためて、ピアノフォルテという楽器は、やっぱり「フォルテ」のための楽器なんだなと思った。当たり前っちゃ、当たり前の話だけども)
そして、「光」の演出も良かった。
ボレロは、初めは、照明を全部落としたところから静かに始まり、徐々に、曲調に合わせて、すこーしづつ光を増やし、アップライトの中にもライトを忍ばせ、楽器の内部を照らし、
最後は、いつの間にか、天井のステージを照らす照明が明るくなっていた。
このツアーは、おそらく、ポップスのアーティストのライブツアーのように、かなりスタッフを引き連れているっぽい。
楽器の種類もたくさんあるし、自分の楽器も持ち込んでいるので、専属の調律師。
曲に合わせて照明を変えるのも、専属じゃないと、毎回違う人がやったら間違えそう。
あと、ロビースタッフ、もぎりのスタッフも連れてきた人たちかなと思った。
福島にはいないイケメンたちが出迎えてくれていた(笑)
7月には武道館でコンサートやるらしい。
武道館。そういえば、行ったことないな。
あの大きな会場を、彼の「遊び場」として照明の演出やら音響技術やらも駆使してやるコンサート。どんなふうに想像を超えてくれるか、楽しそう!
行きたいな・・・。
ぜひ、一度は足をお運びください。
あー、楽しかった。