今日はわくわくした気持ちをひとつ飛び越えた感情を体験した。

「心の奥深くを揺さぶられる」そんな出会いをした。

「いいね」とか「共感」と思うことがひとつではなく数多くあったというところが感情を飛び越えさせた。

今日に至るまでは1ヶ月前に遡る。
幼稚園の年度末のイベントで家族参加のピクニックの時だった。
たまたま隣に居合わせた家族がW君の家族だった。
私はそこではじめて彼を認識した。

次の日から彼が娘を気に入ってくれたみたいで、幼稚園で顔を合わすと私たちのそばに来てくれるようになり、手作りの手紙や工作のプレゼントをくれた。
しかし、仲良くなりかけた2日後に夏休みに入ってしまった。

彼は3兄弟で一番下の子は生後6ヶ月で二番目は2才、この子は彼とは正反対の性格のようで活発に動いて親に手を焼かせる印象が強かった。

両親は二人とも長身でスタイリッシュなイメージ。夫婦共に俳優のようなオーラーを放っていた。

その日は砂場で遊ぶ子どもたちを横目に父親と話ができた。
見た目の印象とは大きく違い、物腰が低く声のトーンが心地よい。
身振りから優しさが垣間見れた。
やんちゃな弟の対応に目を引いた。
気持ちを荒げることなく、毅然とした態度と子どもの気持ちを汲み取ろうと丁寧に対応していた。

仕事はデザイン会社で働いているようなことを少し話し、母親は日本に来たことがあるという話をしたくらいだった。
その日は当たり障りない会話で終わった。

幼稚園の年度の最終日に妻から嬉しい報告を受けた。
彼の父親とたまたま会って、「夏休みに入ると娘に会えなくなるのを寂しがると思うから、ぜひ夏休み中に家族同士で会わないか」というお誘いをいただいた。

私はとてもわくわくしていた。
これから出会う人全ては「必然」と思いはじめてから、どんな繋がりがあるかを想像するだけで楽しくて仕方がない。
今回の家族は全員NZ人だし私たちとの繋がりがこれぽっちも見当たらなかった。
全く検討がつかないはじまりだったのも今回の感情を加速させた。

家を見るのが好きな私は住所を聞いたらすぐにマップで位置確認。
私たちの家は西側にあたるが、その家は高台に向かうのではなく東側に位置していた。

夫婦の容姿とデザイナーというキーワードでなんとなく想像通りの家だった。
ひときわ目立っていたのはショッピングモールに置かれているような大きなツリーだった。
この大きさを置けるのだから広々した家だった。

飲み物を聞かれ、「コーヒー」と答えると、「フラットホワイト?」
お高いコーヒーマシーンがあったのは目に入ったが、「私の大好きなフラットホワイトが自宅で作れて飲めるなんて幸せすぎる」
カフェの味とほとんど一緒だったことにテンション上がる。

家にはもちろんわくわくしたが、それよりも「いいね」と思うことが何度もありすぐに繋がりと引き寄せを感じた。

すぐに目に入ってきたのは私たちが使っているオイルがあったことだ。

「はいはい」と心を落ち着かせるよう自分に話しかけたがそれは難しかった。
すぐにオイルで「共感」し私は明らかに興奮していた。

そして、奥さんは食に興味がありクッキングが好きでこれからsnsでレシピを載せたいと言っていた。
食に気をつかっていて、私が最近制限している糖、小麦、肉などの話に「いいね」連発。おすすめのスーパーの情報も手に入れた。

さらに、奥さんは学生の頃日本の文化に興味をもち、少しだが日本語の勉強をしたことがあった。
日本語が少しできることもあり、私とのコミュニケーションも多少取りやすかった。
「これから日本語を自分の子どもに教えたかったが、もう忘れてきたので教える機会が欲しかった」とのことだった。

私は昨日、「地域の人に無償で日本語を教える機会があれば教えたい」と思っていたところだった。
これまた意気投合。「私たちは日本語を教えるから、W君の家では英語を教えよう」など話しが膨らんだ。

旦那さんには仕事やこれからの展望を聞いたところこれまた「いいね」の連続。
これまでは色々な会社から仕事をもらっていたのでストレスも多かった。
今の仕事は「家に帰ってまで仕事のことを考えずにすみ、家族と過ごす時間が増えたことがすごく良かった」と家族を大切にしていることが伝わってきた。

これからの展望は、奥さんと一緒に副業で自分でデザインした洋服を販売したい夢があった。
「自分が着たい服、自分が作りたいものを売りたい」その言葉や表情から自分らしい人生を歩んでいるように感じた。
これは必ず実現される。

最後に、子どもの人数について質問したところ「子育てにお金はかかるけど、それが子どもを持たない理由にはならない。なぜならハッピーだから」
強く共感した。

この日何より嬉しかったことは、彼が娘を好いてくれていたということだ。
何個も娘に手作りのプレゼントを作っていたようで小出しに4個もプレゼントをもらった。
幼稚園の先生に「W君は物静かで友だちと遊ぶことが少なく一人でいることが多い」と聞いていた。
そんな彼が娘には積極的に見えたので両親にそのあたりを聞くと「幼稚園生活でこんなに好きな子ができたのは初めてのことだ」と言っていた。
娘を好いているのが表情や態度からわかった。
それがとても嬉しく、そして比較的温厚な彼が別れ際に顔をクシャッとさせ泣きかけていたのが忘れられない。

彼の愛や純粋さに幸せな気持ちをもらった。

人生に新たな意味を見出した日になった。