TRX工房

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アマチュア無線機TS-830修理受付中。レストアやクラシック音楽会の感想アップしています。

TRIO・KENWOOD FMチューナー実践調整ガイド
— KT-7300 / 8000 / 8300 / 1010 / 1010F / 2020 をテスター・オシロ・歪率計で最高性能へ —

■ はじめに
TRIO(TRIO-Kenwood)および KENWOOD の FM チューナー、
KT-7300 / KT-8000 / KT-8300 / KT-1010 / KT-1010F / KT-2020 などは、70〜90年代の名機として今も人気があります。

しかし、製造から数十年が経過し、
・同調点のズレ
・IF検波の中心ズレ
・MPX部の経年変化
・電源部の劣化
などにより、本来の性能を出せていない個体がほとんどです。

本記事では、FM信号発生器・テスター・オシロスコープ・歪率計 を用いて、
これらの機種を“本来の実力”へ戻す具体的な調整方法をまとめます。

■ 1. 使用する測定器と意味

● FMステレオ信号発生器(SG)リーダー
・76〜90MHz
・1kHz変調
・ステレオ(19kHzパイロット/38kHz)対応だと理想的
・出力約 50〜60dBμV が基本

● オシロスコープ(20MHz以上)
・IF検波の中心点合わせ
・MPX出力の左右バランス確認
・波形ゆがみの確認

● デジタルテスター(DMM)
・電源ライン電圧
・VCO電圧
・検波のDCオフセット

● アナログテスター
・電圧の揺れ・リップル・不安定動作を針の動きで掴む
・調整中のピーク点を見つけるのに最適
・ACレンジで L/R 出力の振れ比較に有効

● 日本オーディオ製 歪率計(THDアナライザ)
・IF・MPXの最終調整に不可欠
・歪率(THD)を正確に測定
・1kHzノッチフィルタで歪成分のみ抽出

● PC+FFT(Audacity / REW / SPAN)
・セパレーション測定
・ノイズフロア観察
(歪率計と役割分担)

■ 2. 調整の全体フロー(6機種共通)

1. RFフロントエンド調整(感度・同調点)
2. IF検波調整(中心点合わせ)
3. MPX(ステレオ復調)調整
4. 歪率計で IF+MPX 最適化
5. セパレーション調整(FFT)
6. Sメーター等の補正

■ 3. 各ブロックの調整方法

◎ 3-1. RFフロントエンド調整
目的:同調点合わせと最大感度の確保。

手順:
1. SGを 83MHz / 約60dBμV に設定
2. チューナーも83MHzへ
3. RFコイル・トリマを回し、Sメーター最大点を探す

アナログテスターはSメーター電圧を「針の動き」で追えるため便利。

◎ 3-2. IF段(検波)調整
目的:検波中心(0V)を合わせ、歪を減らす。

手順:
1. SGを無変調(0kHz FM)
2. IF検波TPをオシロで観測
3. 波形の中心が0Vになるようコイル微調整

DMMは0.00Vを探す用途、アナログは針の動きを見る用途で併用。

◎ 3-3. MPX調整
KT-1010 / 1010F:uPC1223C
KT-7300 / 8000 / 8300 / 2020:HA11223 / LA3401 / AN7418S 系

手順:
1. SG:ステレオ L=1kHz、R=無音
2. R側1kHzをFFTで観測
3. セパレーションVRで最小点
4. 38kHzコイル微調整
5. L/Rレベルをオシロまたはアナログテスターで揃える

◎ 3-4. 歪率計による最終追い込み(最重要)
1. SGをモノラル1kHz
2. 出力を歪率計へ
3. IFコイルを回し、THD最小点を探す
4. 次にMPXの38kHz・各VRを調整
5. ステレオ時のTHDも再確認

クリアな音質を得るために不可欠。

◎ 3-5. セパレーション測定(FFT)
・SG:左1kHz
・LとRの差をFFTで読み取り

目安:
30dB:実用
40~50dB:優秀

■ 4. まとめ
TRIO / KENWOOD の
KT-7300 / 8000 / 8300 / 1010 / 1010F / 2020 は、
適切な調整で現代機に迫る高音質を取り戻せます。

使用するのは、
・FM信号発生器
・オシロスコープ
・デジタルテスター
・アナログテスター
・日本オーディオ 歪率計
・FFTソフト

この組み合わせで、専門設備がなくても高精度なFMチューナー調整が可能です。

TS-830限定で修理を再開しました。2025年10月18日 

メールアドレス 小文字にして連絡お願いいたします。

jr1trx@icloud.com

お手持ちの旧型真空管式無線機 TRIO TS-830の修理調整を承ります。

持ち込み修理も可能です。当方東京都中野区になります。

修理内容

修理内容

1 カップリングジョイントの交換

2 送信、受信不可となってしまったリグ

3 長期間使用していないためのオーバーホール

4 劣化部品(高圧電解ブロックコンデンサ交換)

 

価格

1台12000円でお受け致します。

12000円で含まれる物 電圧調整、IF調整、RF基板調整、感度、送信出力、WARC対応改造、28MHz出力制限解除、中和、Sメータの調整、

別途以下の電子部品が劣化していた場合、交換となりますので追加でいただきます。

1 高圧電解ブロックコンデンサの交換 2本7000円

2 カップリングジョイント 1個 1500円

3 終段 2本 20000(円安のため値上げさせていただきます。2023年1月15日)

4 ドライバー 3000円

5 その他 半導体 1本 1000円 抵抗コンデンサ類100円

流れ メッセージで機種名故障内容を必ず落札後連絡いただけますか

まずメール→依頼内容確認→修理可能かどうか連絡→追加コストが必要の場合は、依頼者に連絡→差額発生の場合は、

別途振り込み→修理完了→着払いで発送

 

注意

ヤフオクで落札した物は修理不可の場合がありますのでご承知おき下さい。返金はしますが手数料と点検代いただきます。返金は一万円とさせて戴きます。(最近ヤフオクで落札物の依頼がありますが改造されていたり、部品取りされていたり多いため)TS-830以外は受け付けておりません。質問で問い合わせられても返信致しませんのでご承知おき下さい。

 

1976年発売のTRIO KT-3100 FM/AMチューナーを送料込みで3500円で譲ります。

レストアにあたり、動作チェック、洗浄、再塗装、電解コンデンサ全交換しました。エージング24時間。問題なし。

本日で旅も最終日を迎えました。
明日はザルツブルクからフランクフルトを経由して帰国となります。日本は酷暑とのこと、帰国後の気候の差を思うといささか身構えます。

さて、今宵のコンサートは、もはや言葉を尽くしても表現しきれぬほどの至高の体験でした。祝祭劇場の残響は意外なほど短いのに、響きは驚くほど力強く、弦楽器の一つひとつが明瞭に立ち現れる。音色の純度と豊かさは比類なく、まるで心の深奥へ直接染み渡るようでした。

ブルックナーの交響曲第九番を耳にするのは今回で5度目となります。これまで様々な指揮者と楽団で親しんできましたが、今宵のウィーン・フィルによる演奏は、音量の壮大さ、音色の崇高さ、いずれを取っても比肩するものなく、まさに生涯忘れ得ぬ記憶となるでしょう。

そして、生まれて初めて蝶ネクタイを身に着け、この祝祭の場に臨んだこともまた、特別な思い出として心に刻まれました。

――ブルックナーの第九番。私にとって最高の演奏会でありました,

 

 

50Wへのパワーダウンの依頼を受けて確認してみたところ、酷い半田付けをみつけました。

この状態ですといつかは芋はんだ化して危険なことに。

修正するもたくさんあって限界でした。

 

 

 

 

 

年末に依頼のあった調整依頼です。

感度が不足するとのことでしたので、まず調整手順に従って

調整しました。結果的にSが5アップしましたのでだいぶ狂っていたとことがわかりました。

 

TS-830の修理依頼。

ディスプレイの電解コンデンサが破裂したとのことでしたが異常なし。

ヒューズが切断とのことでしたのでもしやと思い、高圧ブロックコンデンサを見てみるとセラミックコンデンサが破裂していました。

 

 私の運用場所は、東京の中野区です。周囲は高層ビルに囲まれた環境で、通称「バケツの底」と呼ばれています。開局から53年が経過しましたが、FT8を利用する以前は、ヨーロッパやアフリカとの交信はまったくありませんでした。北米や南米とはCWでの交信がかろうじて可能でしたが、FT8の登場までは約53カ国との交信にとどまっていました。

しかし、FT8の運用を始めてから約2年で、ついに念願のDXCCを達成することができました。高層ビルが信号を遮る環境ですが、UHF帯ではビルの反射を利用して意外にも1.2GHz帯では良好に通信が成立します。

また、430MHzや144MHzでも良好なコンディションの時には、3エリアや7エリア、0エリアとも交信可能で、非常に興味深いです。

装備としては、HF帯では八重洲のFTdx-5000、UHF帯ではICOM IC-9700を使用しています。アンテナは、7MHzではV型ダイポール、14MHz、21MHz、28MHzでは4エレメントのミニマルチ、50MHzでは6エレメント、144MHz、430MHzではシングルスタックの5エレメント、1.2GHzではシングルスタックの5エレメントを使用しています。

 出力は50Wに制限しています。パソコンはノートパソコン1台と新型iPad Air 13インチを使用し、WSJTとTurbo Ham Logを起動しています。iPadのsplit view機能を利用して、左画面にpskreportを表示し、右画面にDX clusterを表示してDXのチェックを行っています。

 DXCCを達成するためには、JTAlertが非常に便利で、DXを追跡するのに最適です。また、LoTWとの連携により、DXCCが確認されるのを毎日楽しみにしています。FT8は、高層ビルや多くの雑音がある環境でもDXが可能であることが最大の魅力です。オートシーケンスを使用することで多数のQSOも可能となり、アクティビティが向上しました。FT8の登場がなかった場合、多くのハムライフは今とは異なるものになっていたでしょう。

 

 リグやアンテナは、それなりに重要ですが、ロケーションが悪いとSSBやCWではノイズに埋もれてしまい、国内以外の交信が困難でした。FT8の運用により、HF帯からUHF帯まで満足のいくQSOが可能になり、これに大変感謝しています。