ナタリー・ポートマン主演の映画「ブラックスワン」が人気のようだ。まだ観てはいないが言いたいことはなんとなくわかる。バレエ「Swan Lake」での黒鳥は印象に残る場面だ。
今までオデットの姿を求めてきた王子を一場面だけで奪い取る、それゆえに説得力と実力のあるプリマでなければ踊れないそうだ。
Swan Lakeの黒鳥は一人しか出てこないが、それが数人でも出てくればもはやバレエそのものの主題が変わってしまう。昨日白ユニのPSG(Paris Saint-Germain)と黒ユニのFrankfurtとの間で起こったことはそういうことだった。
フォーメーションはどちらも4-2-3-1。がっぷり四つかと思われたがすぐ違いが出た、一方は最善、他方は最悪に。
今回の1トップはBajramaj、いつものように1トップはすぐなだれ込む4トップに変化。対応できないPSGはフォーメーションをズタズタに切り裂かれる
4分には後ろから入ってきたBehringerにPKエリア外からクロスバーへ。6分にはGarefrekesのシュートをカットしようとしてあわやオウンゴール
そして9分、プリマ中のプリマがソロを踊る。Bajramajが、右ラインギリギリまでもって入り、PKエリア外からPSGの頭ごしに左隅に突き刺さるゴールこれで勝負は半分決まった、このテクニックを見せられてPSGは半分パニックとなる
PSGは得意の群舞で攻勢に出ようとするが、パスは簡単にカットそれを囲もうとするが、フィジカルだけでなくテクニック的にも追いつかず、空いたスペースに入ったFrankfurtに簡単にパスされ、また囲もうとしてパス、この繰り返し。
いつしか、PSGは華麗なるソロを踊るFrankfurtの黒鳥たちのバックダンサーと化してしまう
そしてFrankfurtと対戦するチームにありがちなように、1トップを除いた10人がPKエリア内に貼り付けられることになる
PSGが奪回するにはロングボールしかないが、たとえ1トップに通ったとしても簡単に奪い返される、Frankfurtには少なくともDF3人が残っているからだ。
そしてゲームはFrankfurtのソリスト達がいかに美しくPKエリアに侵入するかのショーと化すが、前半ロスタイム、BehringerがPSGの割れ目に持って入り、スライディングを失敗した選手につまずき倒れる。
明らかにPKのようだったが笛は鳴らなかった。審判にはひ弱なPSGがBehringerに倒されたかに見えたかもしれない。皮肉なことだが、それからこのひ弱さだけがPSGの武器となる
そして1-0でハーフタイム
ハーフタイム後、気を取り直したPSGは再度攻めにかかる。しかしそれはベテランと若い黒鳥に阻まれる。
Smisekがカットしたパスを送られたHuthは、大きく空いたスペースに侵入。独特のボールさばきのドリブルを舞う。あわてたDFが出てきて引きつけたところで、ゴール右隅を狙ってパス、そこへ悠然と走り込んだGarefrekesが難なくゴール後半開始2分で2-0
2点目が入ったあとはPSGの目標は3点目を阻止するだけになってしまう。また、自エリア内でボールをとられてはPKエリア内に戻される。
しかし、それにも終わりが来る。54分、Bajramajの右からのショートコーナーから、Behringerが右斜めから大砲のようなミドルPSGの防御の第一陣を崩壊させて、再度シュート、次はゴールに突き刺さり、ゴール内にはボールと、それを阻止しようとして倒れた選手しかいない惨状となった
3点目が入ってからは、PSGはバレエも踊れなくなる。必死にスライディング、ユニ掴みのファールを繰り返す。
63分Bussagliaにイエローカードそして65分、FrankfurtはSmisekに代えてCrnogorčević を投入、Bajramajと2トップで4-4-2。登場した新たな黒鳥は金髪で美しい容姿。すでに眉間に皺をよせたPSG選手とではどちらがパリジェンヌかわからない。
71分、Crnogorčevićがパスを受けてダッシュ、ユニを掴んで倒すPSG、しかしCrnogorčevićのファールが宣告されるユニを掴んでも、先にPSGが倒れ、主審の目にはCrnogorčevićが倒したように見えたようだ
終盤PSGは、敗北しようが優雅さは忘れないフランスサッカーの誇りさえ見失い、ますますラフプレーに頼るようになり、ゲームセット。
Frankfurtの黒鳥たちに何もかも奪われたPSGは、シュートわずか3本、枠内0という結果だけを持って花の都パリへの帰途についた。
Frankfurt Sven Kahlert監督
「敵は、よく動き、ワールドクラスの激しさで襲ってきたが、こちらは日曜日のWolfsburg戦より3段階上だった。ほぼチャンスを許さず、4本の枠内シュートを撃った。これは高く評価できる勝利だ。そして次はグッドゲームをして勝利するためにパリに行くだろう」
Paris Saint-Germain Camillo Vaz監督
「我々にとってとてもタフな試合で、多くのエラーをした。試合はハードでFrankfurtは明らかに、こちらより良かった。我々はすぐ、この幸運な経験をワールドレベルの競争で競争するために使うだろう」
Dietrichマネージャー
「望んだ通りの結果が出た。準準決勝に通じるドアが開かれた。それをくぐるためにパリに行こう」
日本の熊谷選手は90分フル出場。危なげなくプレーをして、Bartusiakが傷んだときには、守備のリーダーとなった。39分と90分には失敗したもののクマヘッドにチャレンジした。
観客 2610人
同日 現地17:00にPotsdamにて行われたPotsdamーGlasgow City戦は10-0でPotsdam圧勝。Frankfurtが舞踏会なら、こちらはPotsdamの運動会だった。永里選手はドベルバッグ(2得点)。
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(といいながらTwitterほとんど慣れてないのですが)