EQ~自己認識 | 立命館大学ビジネススクール教授 高橋慶治のブログ

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立命館大学ビジネススクール教授、合同会社人間開発研究所代表社員、元臨床心理士、元JOC強化スタッフ(メンタルトレーニング、コーチング)の高橋慶治が、マインドフルネス、メンタルタフネス、ストレスマネジメント、コミュニケーション&人間関係など色々書いています。

ゴールマンは自己認識を「EQの一番根底にある要素」であると断言します。

この自己認識は英語のSelf-awareness の翻訳ですが、自己への気づきと訳すこともできます。自分自身の強み・弱み・感情・衝動・影響力に気づけることです。これがEQで一番大切な要素で土台と言って良いでしょう。

 

つまり、大きなピラミッドを作ろうとした時に、土台を一番大きくかつ頑丈にする必要があるのと同様に、高レベルのEQを発揮する優れたリーダーとなるには、自己認識が一番大切であるということです。

 

自己認識とは、「自分自身の強み・弱み・感情・衝動に対する深い理解」であると、ゴールマンは定義します。つまり、自分は、何が得意で、何が苦手で、どんなことに喜びを感じ(悲しみを感じ)、どんなことに心踊るのか、について、自分自身がよく理解している、ということです。

 

自己認識が高い人物は、「自分自身や他人に対し、過度に批判的であったり非現実的に楽観的ではなく、素直で正直であることが出来る」とゴールマンは分析します。

 

自己認識が高い≒自分自身を深い分析や観察した経験がある人物は、自分の感情や行動が、周囲の人間にどのような影響を及ぼすのかということについて、経験に基づき予測することができます。また、自分にとって本質的な価値(value)に基づく決定を下すことが出来るため、心から打ち込める仕事を見つけることが多くなります。

 

ゴールマン曰く、自分の自己認識がどの程度かを測る指標はいくつかあり、

 

・自分自身の感情について正確かつ率直に打ち明けら

  れる

・自分自身の失敗を受け入れることが出来る

 (with smile)

・自分自身の強みとその限界について話すことに抵抗

  がない。

・建設的な批判を常に求めている。

・周囲に助けを求めるタイミングを理解している

 

といった項目が挙げられています。

 

では、どうやって自己認識を高めたらよいのか?

 

先ほど、「自己認識が高い≒自分自身を深い分析や観察した経験がある」と書いたが、自己分析や自己観察が必要なのです。

 

自己分析の方法はいくつもありますが、私はエニアグラムがとても効果的だと思います。

 

そして、自己観察はマインドフルネス瞑想がもっとも効果的な方法の一つです。マインドフルネス瞑想の方法の観察・描写・参加に自己客観視能力が高まり自己への気づき、自己認識が高まってくる。

 

実際に大学院の授業でEQ心理テストの自己認識の得点が上がっている者が多くいる。

 

エニアグラムでもEQテストを使って調べてみたいと思っている。