3つの仕事観 | 立命館大学ビジネススクール教授 高橋慶治のブログ

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立命館大学ビジネススクール教授、合同会社人間開発研究所代表社員、元臨床心理士、元JOC強化スタッフ(メンタルトレーニング、コーチング)の高橋慶治が、マインドフルネス、メンタルタフネス、ストレスマネジメント、コミュニケーション&人間関係など色々書いています。

3つの仕事観とは、イエール大学の組織行動学教授、エイミー・レズネフスキー(Amy Wrzesniewski)の研究による人の仕事の捉え方で、「ジョブ」「キャリア」「コーリング」の3つ分けられるという。

 

それらの違いは、

 

「ジョブ(労働)」

・レジャーが楽しみ

・金銭的報酬が意欲を高める

・今の仕事は必要なければ人に薦めない

・仕事が終わるのが待ち遠しい

・言われたことをやる

・金銭的報酬のため懸命に仕事をする

 

「キャリア(仕事での成長)」

・おそらく仕事が楽しみ

・昇進、キャリアアップが意欲を高める

・今の仕事はおそらく人に薦めるたろう

・余暇のことを考えることも多い

・上司に印象付けることをする

・昇進、キャリアアップのため懸命に仕事をする


「コーリング(仕事自体が価値)」

・仕事が楽しみ

・貢献意意識が意欲を高める

・就業時間以外も仕事のことを考える

・仕事をうまくやれることは内的報酬になる

・仕事自体がやりがいがあるので懸命に仕事をする

 

ちなみに、コーリングは英語でcalling. で語源は、神の恵みによって神に呼び出されること。召命、神のお召し、使命、天職と訳される。

 

レズネフスキーは、医師、教師、プログラマー、事務職などさまざまな職種の人々を調査し、大半の人はこの3つの仕事観を持っていることが分かった。

 

自分の好きな仕事に就いた人、そういう職種が自分の仕事をコーリングと分類する傾向があるとも考えられる。

 

そこで、職種によって違いがあるのかを確かめるため、レズネフスキーは同じ職業で、大学の事務職員という同じような仕事内容のグループを調べた。その結果、ほぼ均等に、ジョブ、キャリア、コーリングに分かれた。

 

自分の仕事をコーリングと考える職員の大きな特徴は、その仕事に費やした年数だった。コーリングに属する人の働く動機は「社会の役に立っている」「自分の仕事には意義がある」という実感。目の前の仕事に取り組むこと自体に価値を感じる。

 

職員の経験が長ければ長いほど、仕事に意味を見出し、スキルや有能感も高いのだろう。そして、「社会の役に立っている」「自分の仕事には意義がある」と感じるのと考えられる。その為か自分の仕事をコーリングであると分類傾向が強かった。

 

さて、3つのカテゴリーで、最も幸福度が高く集中力高く仕事に取り組めているのはコーリングに属する人と言われる。

 

仕事に意味や意義を見出し、スキルや能力を高め、貢献感を感じることが、どんな仕事にとってもコーリングに至る道と考えることが出来るだろう。