エニアグラム性格学~大切なこと「人をタイプ分けすることの限界」 | 立命館大学ビジネススクール教授 高橋慶治のブログ

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立命館大学ビジネススクール教授、合同会社人間開発研究所代表社員、元臨床心理士、元JOC強化スタッフ(メンタルトレーニング、コーチング)の高橋慶治が、マインドフルネス、メンタルタフネス、ストレスマネジメント、コミュニケーション&人間関係など色々書いています。

エニアグラムは、病的な人ではなく、むしろ健全な生活を営んでいる人を対象にし、性格タイプ分類のコンパクトな理論体系の中にたくさんの実践的な内容を盛り込んであるユニークな理論のひとつだと思います。


もしあなたが、自分自身とまわりの人を正しくタイプ分けすることができれば、(これが難しい。経験豊富な指導者によるワークショップが必須だと思います。)そこから大いなる気づきや、自己理解・他者理解をベースに役立つ情報を得ることができるでしょう。


エニアグラムの長所は、人々の違いを受け入れ、相手そのものを尊重することを教えている点です。


私はエニアグラムの研修においては、「多様性受容力」を高めることがエニアグラムを学ぶ大切な目的のひとつですと力説をしています。


個々人の違いについて、理解、敬意、承認、尊重することがエニアグラムの根底にある欠かせない態度なのです。


この態度がないと、以下の述べるような短所があなたにとってマイナスの働きをするようになってしまいます。


その短所とはは、ラベリングやレッテル貼りの恐れです。


人をタイプ分けによって、単純にステレオタイプ(紋切り型)化し、他の人の行動をマイナスイメージの特徴でとらえてしまうことです。


タイプについて理解することと、他の人をタイプの枠でくくってみてしまうことの違いは僅かでしかないのです。


例えば、狭い見方で言えば、タイプ8は横暴に見えるし、タイプ7は軽薄に、タイプ9はいいかげんに、タイプ5は冷たい人のように見えます。


特にエニアグラムの初心者は、あまりにもエニアグラムの性格描写、解説が当たる(占いではないのですが笑)ので、他者の気になる部分(多くはマイナス面)を「~さんはタイプ○だから~なんだよ!」などと決め付け発言をしがちになります。


私自身も、20年以上に前に、知識もなく体験したこともないエニアグラムの性格を、そのときに上司に決め付けられ不快に感じ反発を覚えた記憶があります。


我々は人をステレオタイプ化してしまうと、その行動を先入観を持って、狭い視野でしか物事を見られなくなり様々な可能性を否定することになります。


エニアグラムを学んだ人をぜひとも、この点を注意して下さい。


しかし、人は自分自身で自分を変え、それを受け入れていけば、さまざまな問題解決や人間関係の改善が可能になります。


エニアグラムを学んだ人は、お互いに自分のタイプのネガティブな見方を変えるようにしなければなりません。


自分のあるがままや他者を受け入れたと感じるときこそ自己変革や自己実現の大いなる進歩なのです。