10月5日(土)午後3時から、北大学術交流会館(北8西5)で、「北大×読売×JICA諮問公開シンポジウム 北海道大学から新しい世界を考え得る -Be ambitiousu! 未来への提言-」と題するシンポジウムが開催されました。

 

 このシンポジウムは、北大創基150周年、読売新聞創刊150周年、国際協力70周年を記念し、初めて開かれたものです。

 

 登壇者は、次のとおりです。

 

【登壇者】

宝金 清博        第20代北海道大学総長

ジュリア・ロングボトム 駐日英国大使

垂 秀夫         前駐中国特命全権大使、立命館大学教授

田中 明彦        国際協力事業団(JICA)理事長

 

 このシンポジウムの記事が、10月6日の読売新聞に掲載されました。記事のタイトルは、「国際人材 どう育てる 多様性や対面交流カギ」とまとめています。

 

【読売新聞 2024年10月6日】

*詳しい内容は11月12日に掲載予定

 

 私は、ロングボトム駐日英国大使がどのようなお話しをされるのかが興味深く、参加したのですが、久々に面白いシンポジウムでした。

 

 特に興味深く感じたお話しを、記録しておきます。

 

【ロングボトム駐日英国大使】

私は、1989年に初めて日本に来た。当時の日本はバブル景気の最中で、日本の若者はもっと海外に出かける意欲があった。日本の若者は、当時に比べて海外に行こうという意欲が減少し、海外に行かなくなったが、もっと海外に出て学ぶ人であって欲しいと思う。

イノベーションのためにも、未来志向でリスクテイキングして欲しい。

 

【垂(たるみ)前駐在中国全権大使】

いま日本(東京)で何が起きているかと言えば、自由を求める中国人が神田に来ている。清朝を倒した辛亥革命を担った中国人は、早稲田大学の留学生が多かった。

中国=中国共産党ではないということを理解する必要がある。

 

【田中JICA理事長】

日本のGDPはドイツに抜かれたが、対外資産を見ると日本(471兆円)、ドイツ(455兆円)、中国(413兆円)であり、まだ日本の経済的地位は投資国家として保たれている。

対外資産の内訳は、経常収支(輸出-輸入)+所得+移転収支であり、日本は過去の遺産で優位を保っている。

 

【宝金(ほうきん)北海道大学総長】

英国のオックスフォード大学だと、留学生が30%くらいいるが、日本だと一番多くても東工大が15%、北大だと5~6%に過ぎない。

現在は、中国人留学生が圧倒的に多くて、ダイバーシティ(多様性)の観点から問題があるので、もっと多様な留学生が日本で学び、日本に定着してリーダーになって行く社会を考えなければならない。

 

【会場との質疑応答】

Q:法学部3年生

  日英同盟の再結成は考えられないか?

A:ロングボトム大使

  日英同盟は軍事同盟であった。日英米共同での軍事訓練は行っており、空母打撃軍を日本に寄港してもいるが、軍事同盟をすぐに結ぶことにはならない。