北海道内には、現在、国立公園が6つあります。「利尻礼文サロベツ」、「知床」、「阿寒摩周」、「釧路湿原」、「大雪山」、「支笏洞爺」です。

 

 それらに加えて「日高山脈襟裳十勝」が、今年7月までに国立公園に指定されることになりました。

 

【道内の国立公園】

 

 

 

【“日高山脈襟裳十勝国立公園”7月までに誕生へ 国の部会了承 NHK】
 国内最大規模の原生林が広がる「日高山脈襟裳国定公園」について、国の中央環境審議会は22日、国立公園に格上げして指定することを了承しました。ことし7月までに官報で告示され、名称は「日高山脈襟裳十勝国立公園」となり、道内では37年ぶりに新たな国立公園が誕生します。

 

【日高山脈襟裳国定公園の指定地域】

 

 この国立公園の見所は、個人的には次の3か所です。

 

【日高山脈襟裳十勝国立公園の見所】

1 アポイ岳 (日高管内 様似町)

  通常は地下深くにある「かんらん岩」でできた特殊な山で、高山植物が豊富です。北大事務局前(旧北大予科の建物)に設置された「大志を抱いて」の碑は、アポイ岳のかんらん岩でできており、オリーブ色が印象的です。

 

 

 現地では、「アポイ岳ジオパーク」に足を運ぶことがお勧めです。

 

アポイ岳ジオパーク 

 

2 襟裳岬 (日高管内 えりも町)

  ここには昔、日本三大きちがいユースホステルの一つに数えられた「えりも岬ユースホステル」がありました。夜更けまで続くミーティングと日の出ツアー、百人浜自転車競争など寝る暇もないイベントラッシュ。「何もない」と言われることもありますが、ここの雄大な景観と強い風を体験すれば、そんなことは言えなくなります。爆笑

 

3 十勝側から見た日高山脈 (十勝管内 広尾町)

 坂本直行氏(1906ー1982)は、十勝地方の南端に位置する広尾町で、1930年(昭和5年)から1960年(昭和35年)まで30年間、原野を開拓しながら、日高山脈を描き続けました。

 

 その様子は、著書である「原野から見た山」に次のとおり書かれています。

 

【僕の山の絵】

 僕は学校を出てから昭和5年の秋、現在の南十勝の原野に偶然に住むようになったが、それ以来北海道で一番美しい日高山脈を25年以上描き続けてきた。

 苦しい開墾生活に20数年耐えてきたのは、いつも新しい生気を吹きこんでくれた美しい日高山脈や、原野の原始的な美しさのおかげもあるようだ。

 

【原野から見た山】

 

 

 日高山脈が国立公園に指定されれば、日高地方、十勝地方の両方で、観光客の誘致を目指して観光キャンペーンが行われるに違いありませんが、十勝地方の観光キャンペーンでは、坂本直行氏が描いた日高山脈の絵も観光資源の一つとして注目されるだろうと思います。