4月13日の日本経済新聞に掲載された書評で、「老後の家がありません シングル女子は定年後どこに住む?」(元沢賀南子著)を知り、読んでみました。

 

【老後の家がありません シングル女子は定年後どこに住む?

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 独身、57歳、現在フリーランスの元会社員。「悪条件」の私でも、老後まで住み続けられる家は見つかるでしょうか。
 賃貸物件は高齢だと借りられないというけれどホント?
 購入するなら、ローン審査は通る? 通らない?
 地方移住はリアルな選択?

 

 老後の住まいをどうすべきかについては、マネー評論家たちが本や雑誌で様々な意見を述べていますが、マネー評論家として印税や講演料などで儲けている人たちが言うことなので、何となく実感に欠けていて、「本当にそうなのかな?」という疑問が残ります。

 

 その点、この本の著者は、自分自身が当事者なので、老後の住まいどうすれば良いのか、真剣に悩み、一生懸命に情報を集めていることが伝わってきてグイグイ引き込まれ、最後まで一気に読んでしまいました。

 

 ネタばらしになるので結論は書けませんが、中間的なまとめとして書かれた次の点は、本当にそのとおりだと思いました。

 

【老後の住まいをどうすれば良いか】

 都内で、安くて予算内だからといって、耐震性だけでなく住宅性能も低い古いマンションを買うよりも、地方の最新設備、最新の住宅性能のマンションを買うほうが、満足度も高く、資産価値も下がらないのではないか、と思えました。いかに人口減とはいえ、県庁所在地の、グレードの高い、新築マンションなら生き残れるのでは? 将来、貸したり売ったりするにも困らないのでは? と考えたのです。

 

 東京都内にこだわることで暗礁に乗り上げていた老後の住まいの確保が、地方の県庁所在地に目を向けたことでブレイクスルーしました。

 

 その後、彼女は、地方の県庁所在地で購入するマンションについても、中古の程度の良い物件で良いのではないか。さらには所有にこだわらず、シェアハウスでも良いのではないかと、考えを巡らしながら地方移住計画を進展させています。