コンプライアンスとは、「法令を含む社会規範を守る」という意味です。企業が、社会規範を守るは当然のことだと思いますが、実際はコンプライアンス違反が珍しくありません。ショボーン

 

 先日も、日立造船(7004)の社員が過労自殺したことが報道されました。

 

【毎日新聞 3/25(月) 5:00配信】

 東証プライム上場の大手機械メーカー「日立造船」(大阪市)の若手社員が赴任先のタイで自殺し、3月に労災と認定されたことが判明した。この社員は初めての海外勤務だったのに専門外の業務を命じられ、上司にミスを度々叱責されていたという。社員がこれらの複合的な要因で精神疾患を発症し、自殺したと判断された。

 日立造船は、元々は造船会社でしたが、現在は造船から撤退し、代わりにゴミ焼却施設が基幹事業になっています。国内だけでなく、海外にも進出しています。亡くなった方も、タイ中部ラヨーンでのゴミ焼却発電所建設プロジェクトに従事していました。

 

 私の友人も、北大水産学部を卒業後、水処理のメーカーに勤務し、東南アジアに頻繁に出張していましたが、身体がもたないということで、辞めてしまいました。マイルが貯まって羨ましいと思っていましたが、東南アジアでのプラント建設に関わる仕事は、そんな生やさしいものではないらしいです。ショボーン

 

 日立造船のチャートを見ると、右肩上がりで絶好調ですが、社員を過労自殺させるような企業はコンプライアンスが欠如していると思うので、この会社の株は買いませんし、持っていれば直ちに売却します。

 

 図書館や、法律に関する雑誌を置いているような大きな書店で労働法の判例を見ると、常連の会社があることに気づきます。代表的なのは、日産自動車(7201)です。「日産自動車事件」で検索しただけで、最高裁判所まで争われた有名な判例が3つも出てきます。

 

【日産自動車事件】

①  1981年(昭和56年)3月24日最高裁判所判決。企業における男女別定年の適法性が争われた裁判。日産自動車女子若年定年制事件ともいう。
②  1985年(昭和60年)4月23日最高裁判所判決。同一企業内に複数の労働組合が存在する場合の取り扱いについて争われた裁判。日産自動車残業差別事件ともいう。
③  1987年(昭和62年)5月8日最高裁判所判決。労働組合に対する便宜供与について争われた裁判。日産自動車便宜供与事件ともいう。

④ 2018年(平成30年)11月19日にあった役員報酬に係る不正などの発覚事件。
 

 日産自動車の株価は、トヨタ自動車(7203)、ホンダ(7267)、マツダ(7261)に比べてかなり割安感がありますが、コンプライアンスに不安があるので、私なら絶対に買いません。