1月29日(月)、福岡県の太宰府天満宮から「梅の親善大使」が札幌市役所を訪れ、梅の花を届けました。
【梅の親善大使】
「梅の親善大使」によるこの活動は、北海道と福岡県の親善をはかることを目的として1956年(昭和31年)に始まったもので、今年で66回目を迎えました。
太宰府天満宮の梅の花と言えば、福岡には、「飛梅伝説」があります。
【飛梅伝説(とびうめでんせつ)】
昌泰4年(901年)、時の右大臣であった菅原道真は、藤原氏の陰謀により大宰権帥(だざいのごんのそち)に左遷されることとなりました。いよいよ故郷である都を離れる日、幼い頃より親しんできた紅梅殿(こうばいでん)の梅に、
東風(こち)吹かば匂ひおこせよ梅の花 あるじなしとて春なわすれそ
と詠いかけました。主人(道真)を慕った梅は、道真が大宰府に着くと、一夜のうちに道真の元へ飛んで来たといわれています。これが有名な飛梅伝説です。
当時は、梅の花が一夜のうちに京都から福岡まで飛んでくるなんて伝説でしかあり得ないことでしたが、今日では、2時間10分のフライト時間で福岡から札幌まで飛んでくることができます。
梅の花が届いたとは言っても、札幌は真冬で、2月4日(日)から11日(日)まで開催される「さっぽろ雪まつり」会場の大雪像が、設営されている最中です。
この時期は、東京でも梅が咲き始めるころで、湯島天神の梅まつりのホームページを見ると、「1/29全体の開花度は一割ほど」と書かれています。
【湯島天神梅まつり】
湯島天神は境内がそれ程広くないので、全国にはもっと見事な梅林はいくらでもありますが、江戸時代から続く梅の名所だけに、何とも言えない風情があります。
こうした風情のある場所がたくさんあることが、東京の大きな魅力ですが、住んでいると当たり前になってしまって、観光で訪れた人ほどの新鮮な感動を味わえないのではないかと思います。
【歌詞:湯島の白梅】
湯島通れば 思い出す
お蔦 主税の心意気
知るや白梅 玉垣に
のこる二人の 影法師
忘れられよか 筒井筒
岸の柳の 縁むすび
かたい契りを 義理ゆえに
水に流すも 江戸育ち
青い瓦斯灯 境内を
出れば本郷 切通し
あかぬ別れの 中空に
鐘は墨絵の 上野山
【切通坂(きりとおしざか)】
湯島の台地から,御徒町方面への交通の便を考え,新しく切り開いてできた坂なので,その名がある。映画の主題歌「湯島の白梅」“青い瓦斯灯境内を 出れば本郷切通し”で,坂の名は全国的に知られるようになった。