私の手元に、「マネープラス」の2007年10月号があります。見開き2ページで、2011年8月に破綻した安愚楽共済牧場の「黒毛和種牛委託オーナー募集」の宣伝記事が掲載されています。「ウシに願いを!!」と題された記事には、次のように書かれています。
【27年にも及ぶ実績と信頼。あなたにも黒毛和牛のオーナーとしてゆとりの生活を!】
都会の皆さまにも、ゆったりとした牧場の時間を共有して頂きたい。そんな思いから、安愚楽牧場では27年にわたり母牛のオーナーを募集してきました。オーナーの皆さまには、産まれた子牛の売却益から利益を還元。
【4つのコース】
1 まきば 若葉 2007(新規専用)
① 売買・飼育委託契約金 30万円
② 契約期間 2年
③ 子牛予定売却利益金 9千円×2回
④ 契約時の特典 安愚楽和牛「焼肉セット」(600g)
2 まきば A 2007
① 売買・飼育委託契約金 50万円
② 契約期間 3年
③ 子牛予定売却利益金 1.6万円×3回
3 まきば B 2007
① 売買・飼育委託契約金 100万円
② 契約期間 4年
③ 子牛予定売却利益金 3.7万円×4回
4 まきば C 2007
① 売買・飼育委託契約金 200万円
② 契約期間 5年
③ 子牛予定売却利益金 8万円×5回
こうして見ると、一番高額のCコースでも、200万円に対して年間8万円の配当金なので、年利4%。高級黒毛和牛ならその程度の配当は無理なくできるのだろうと錯覚させた点に、大勢の人がだまされた原因があるように思います。当時は、マネー誌や新聞などで大々的に宣伝しており、怪しいと疑問を呈する記事もありませんでした。
安愚楽牧場の被害は、次のように甚大なものでした。
1 負債総額 4,330億8,300万円(2011年8月民事再生法適用申立時点)
2 黒毛和牛委託オーナー被害者数 7万3,356人
3 黒毛和牛委託オーナー被害総額 4,207億6.700万円
現在、私が、和牛商法以上に怪しいと思っているのは、「みんなで大家さん」という不動産私募ファンドです。これまで4回、このブログに警告記事を書いてきましたが、なかなか破綻しません。
1 2018年8月27日 配当利回り7%不動産私募ファンドには関わるな!
2 2019年2月17日 今だに野放しの「みんなで大家さん」
3 2019年4月28日 国産無農薬バナナを試してみました
4 2020年6月30日 和牛商法以上に怪しい、「みんなで大家さん」
今回「みんなで大家さん」について取り上げたYouTube動画を調べてみると、私と同じ疑問を持って警告を発しているものが3件ありました。