2023年12月に、ねとらぼ調査隊では「『夜景がきれい』だと思う都道府県はどこ?」というアンケートを実施しました。その結果は、次のとおりでした。

 

●第1位:北海道
 第1位は「北海道」。北海道の夜景といえば、多くの人がイメージするのは「函館山」からの夜景ではないでしょうか。日本三大夜景の一つに数えられ、ミシュランでも三つ星の評価を獲得するなど、世界的にも人気のスポットといえるでしょう。日の出の前に見る「朝夜景」もおすすめだそうですよ。

 

【函館山の夜景】

*「旅東北」のフリー素材。函館山夜景

 

 私は、1984年4月から5年2か月、函館市に住んでいました。函館山山頂までの自動車道は、通行無料なので、山麓にある函館市営の「谷地頭温泉」に入浴後、夕涼みがてら夜景を眺めに行っていました。ニヤリ

 

 写真だと、スケール感が全然違うので、函館山の夜景は実際に自分の目で見ないと、どれ程素晴らしい景観であるか分かりません。函館山は函館湾に突き出した標高334mの「函館山」が、砂州でつながった陸繋島なので、函館山と内陸をつなぐ幅が2km程度の砂州の両脇に海岸が広がっています。

 

 日の出前に見る「朝夜景」も絶景ですが、著作権フリーの画像が見つからなかったことと、ネット上にアップされている画像では、全然ピンとこないので掲載しませんでした。

 

 実際の「朝夜景」だと、函館山の朝風が夏でも寒いほどで身が引き締まる感じだし、市街地の景観の反対側には津軽海峡が広がっています。函館山の山頂から見ると、下北半島から津軽半島までパノラマビューなので、本州が間近にあることをしっかりと感じることができます。

 

●第2位:長崎県

 第2位は、長崎県。特に人気なのが長崎市の「稲佐山」です。長崎港を中心に、周囲の山々が生み出したすり鉢状の地形が最大の特色。立体的な夜景が生み出され、「1000万ドルの夜景」とも呼ばれるほどです。また展望台の照明も美しく、風景と合わせて幻想的な空間を生み出しています。

 

【稲佐山(いなさやま)の夜景】


*フリー画像「長崎県稲佐山からの夜景」

 

 稲佐山から見る夜景は、入り組んだ港の景色がとても見事だし、鎖国の時代、海外に開かれた唯一の貿易港だったという歴史からくる異国情緒が感じられます。

 

 函館山の夜景と違って、視点の先もまた山の斜面なので、人家の明りもそこで途絶えます。それがまた、長崎の歴史を思い起こさせます。

 

 江戸時代、切支丹弾圧が行われていたころの長崎を舞台にした小説「青銅の基督」の中に、長崎の夜景が次のように書かれています。

 

【青銅の基督(長与善郎著)】

 眼下に一目に見渡せる町々の家にはもう明りがついていた。

 「同じ明りでもあの星のいやに落ちついた冷ややかな無限の明りとの感じの違いをごらんなさい。なんというはかないいじらしい感じでしょう。泡のように生じてはすぐに消えて行くこのはかない人間というもののいかにもつけそうな明りではありませんか。人間はほんとうにかわいそうなものですね。」