6月12日(月)から17日(土)まで、全国大学生活協同組合連合会の夏企画「九州沖縄フェア」が開催されており、全国の大学生協食堂で、大分県発祥の「鶏天」を食べることができます。

 

【北大クラーク食堂の鶏天(とりてん)】

 

 福岡市内でも、「とり天」は、博多うどんのトッピングとしてどこでも食べられるのですが、私の記憶では、鶏ささみの天ぷらという感じでした。九州沖縄フェアの「鶏天」は、皮付きの天ぷらで、おろしポン酢で食べるとサッパリしてちょうど良い感じです。ニコニコ

 

 農林水産省のホームページ「うちの郷土料理」には、「とり天」について、次のとおり紹介されています。

 

【大分県 とり天(とりてん)】
 「とり天」は、別府市内にある県内初のレストラン「東洋軒」が発祥だとされている。昭和初期、既存メニューの唐揚げが骨付きであったために女性が食べづらいだろうという気遣いから、骨のないもも肉を食べやすい大きさに切り、天ぷら風にアレンジしたのがはじまり。唐揚げより早く調理できて、サクサクと柔らかい衣は、またたく間に評判となり、やがて、さまざまな飲食店が「とり天」を提供するようになったという。

 

 北海道では、飲食店のメニューに「とり天」はありませんが、代わりに「ザンギ」が定番メニューです。「とり天」とどう違うのか興味を持って、創業大正3年(1914年)の老舗ビアホール「狸小路ライオン」で「ザンギ」を注文しました。

 

【「狸小路ライオン」の「ザンギ」】

 

 狸小路ライオンで出される料理は、丁寧に調理され美しく盛り付けられていて、流石に老舗だけのことはあると思わされます。この店の「ザンギ」は、しっかり味付けされた皮付きの鶏肉の揚げ物で、「とり天」のように衣の存在感はなく、和製フライドチキンと呼ぶのが相応しい食べ物です。

 

 農水省のホームページ「うちの郷土料理」には、「ザンギ」について、次のとおり紹介されています。

 

【北海道 ザンギ】

 北海道では鶏の唐揚げのことを「ザンギ」と呼ぶ。「ザンギ」は一般的な鶏の唐揚と比べ味付けが濃いのが特徴。揚げる前に鶏肉を醤油ベースの甘辛いタレに漬けこんでつくられる。骨付き「ザンギ」と骨なし「ザンギ」の2種類あるが、道内では骨なし「ザンギ」を取り扱う店舗の方が多い。
 いまでは、鶏肉の唐揚げ以外にも、「タコザンギ」や「サケザンギ」など食材に衣を付けて揚げたものを「~ザンギ」と名称をつけて呼んでいる。

 

 「とり天」と「ザンギ」は、時間をおいて食べると違いが曖昧になりますが、食べ比べてみると、似て非なるものであることが分かります。