大学から研究者に配分される研究費は、研究室の維持費に消えてしまいます。本当にやりたい研究をするためには、国の科学技術研究費を取る必要がありますが、採択率は2~3割なので、実施できないテーマの方がずっと多いわけです。![]()
そのため、北海道大学では、3月1日から次のプロジェクトについて、クラウドファンディングにより研究費を募っています。
【3月1日公開:9プロジェクト】
1 苫小牧研究林の魅力を伝えたい!〜資料館の休日開放と散策路の整備〜【150万円】
2 確かな医療を継続してとどけるために。若手口腔外科医の育成にご寄附を【550万円】
3 北海道の地で待望の肺移植、実現へ!北大呼吸器外科の挑戦にご寄附を【700万円】
4 折りたたみ式入れ歯を開発し、開口障害がある方も顎義歯を使えるように【600万円】
5 血清亜鉛値に代わる、「味覚障害」の新たな指標の樹立に向けた研究を!【350万円】
6 世界のクマ研究最前線 クマが生きられる環境を未来に残したい【500万円】
7 北海道の「避けられた外傷死」を撲滅する-外傷外科医育成プロジェクト【500万円】
8 ポータブルエコーで未来のプロ野球選手たちに肘検診を行いたい【700万円】
9 希少がん「乳房外パジェット病」に対する、抗がん剤治験実施にご支援を【1,000万円】
3番の「肺移植への支援」、6番の「世界のクマ研究最前線」については、3月3日(金)の北海道新聞に紹介されていました。
【肺移植への支援 2023年3月3日】
上記の9プロジェクトが募金している目標金額は、合計3,550万円ですが、全国の大学にも、予算が工面できないために埋もれている研究テーマは、たくさんあるはずです。![]()
大学の研究室が、150万円~1,000万円の研究費の工面に苦労している一方で、東京オリンピックの開催経費は、当初7千340億円だったものが5倍の3兆6千800億円に膨張し、五輪組織委員会役員や電通などが賄賂を受け取り、暴利を貪っていた実態が明るみに出てきました。![]()
こうした大きな無駄遣いを見ると、日本は本当に大切なことにお金を使わず、衰退への道を歩んでいるのではないかと絶望的な気がしてきます。
