進学会ホールディングス(9760)は、札幌市に本社がある上場企業です。学習塾を全国展開していますが、現在では売上高の7割以上が、資産運用です。![]()
【進学会の売上高(2022年3月)】
資産運用 10,385百万円 72.7%
教育関連 2,128百万円 14.9%
賃貸 810百万円 5,7%
その他 567百万円 4.0%
スポーツ 404百万円 2.8%
合計 13,846百万円
138億円余りの売上高なのに、2022年3月決算は、57億円の赤字でした。
これだけ赤字なら、無配・株主優待廃止になりそうなものですが、配当と株主優待は維持しています。
私は、学生時代、進学会(当時の社名は北大学力増進会)で講師や教材作りのアルバイトをしていました。大学3年生のときに、北大学力増進会主催のリクルートセミナーがあり、創業者社長の経営ビジョンを聞き、その後、居酒屋に席を移して社長と懇談しました。
そのとき、社長は、学習塾事業がいかに儲かるかについて次のように話してくれました。「商社だと売上げ1000億円と言っても、利益は7%程度だが、うちは売上高(当時は70億円)のすべてが利益なので、売上げ1000憶円企業なんだよ。」![]()
今にして思えば、学習塾がいかに利益率が高いとは言っても、売上げのすべてが利益ということにはなりませんが、業績が順調に拡大し、資産運用も絶好調だったので、社長も半ば本気だったかも知れません。
一時期は、社長を長男に譲っていましたが、現在は社長に復帰して、資産運用はすべて社長の判断で行われているらしいです。
運用自体は上手くいっておらず、大赤字になっていますが、それでも社長交代劇は起こらず、倒産の噂も出ていません。
何だかんだと言って、札幌都市圏における北大学力増進会のブランドが確立されているので、利益の源泉が損なわれていないのが強みです。株主優待が好きな人なら、100株3万円2千円で1000円分のクオカードがもらえるので、買ってみても悪くはないでしょう。