年の暮れに、沖縄を旅行すると、オモチャのように小粒の蜜柑が、鈴生りに実っている様子を見ることがあると思います。これは、緑色で酸っぱいシークヮーサーが熟した姿です。![]()
【熟したシークヮーサー】
熟したシークヮーサーは、日持ちがせず、流通量も少ないため、沖縄物産専門店でたまに見かける程度ですが、食べてみるととても美味しいです。
今年は、例年より収穫時期が早まったため、札幌の沖縄物産専門店の店頭には並ばなかったので、楽天市場で購入しました。2kgで2980円(税込)です。
【フルーツシークヮーサー】
お供えの鏡餅に載せる小さな蜜柑のような大きさですが、皮をむくと果肉はとてもジューシーです。味は、爽やかなバレンシアオレンジに似ています。
ただし、種が多いので、食べにくいのが難点です。![]()
シークヮーサーは、パイナップルやドラゴンフルーツのように外国産の果物を沖縄で栽培するようになったのかと思っていたら、琉球王朝の時代から沖縄にある果物でした。![]()
民芸運動の創始者である柳宗悦は、1943年に著した「芭蕉布物語」の中で、シークヮーサーについて、次のように書いています。
【芭蕉布物語】
芭蕉布は洗うにつれて赤みを帯びて来ます。これを嫌う島の人達は、実に巧な方法を用いて難なくそれを防ぎます。誰が思いついたのか、庭に実る「しいくわさあ」の実を一つもぎとります。柑橘類で小粒の蜜柑のような果実です。「しいくわさあ」は「酸を食わすもの」との義です。洗濯水の中にその汁を幾しづくか垂らします。之が秘訣です。それは手品のように布が赤らむのを止めてくれます。どこまでも沖縄は芭蕉布を生み、育て、守ってくれる土地なのです。
昔は、特産品である芭蕉布が変色するのを防ぐために使われていたのですね。果物として食べていたかどうかは、まだ書かれたものを読んだことがありません。傷み易いのでせっせと食べますが、今年は、ジャムを作ってみようかと思っています。![]()

