中野信子さんとヤマザキマリさんの共著「生贄探し」(講談社+α文庫)を読みました。
科学技術が発達して、人々はその恩恵を十分受けています。しかし、人間そのものは長らく殆ど変わっていないし、これからも変わることがないように思えます。
自分と異質なものに嫌悪感を抱き、排除しようとする行為は、世の中のありとあらゆる場面で行われています。このような行為は、一時的にはその人の精神状態を少し良いものにするかも知れませんが、人類全体で見ると、大きなエネルギーの浪費に他なりません。
私達は、このようなことが馬鹿げたことだと気付いていてやっているのか、気付かずにやっているのかは分かりません。
ヤマザキさんが最後に書いているように、地球と自分とのつながりをシンプルに感じることができたら、限定的な範囲の中でしかない些末な揉め事や悩みも、なかなか思い通りにならない人生も、いちいち大騒ぎするほどのことでもないのだと思います。