俳優座の「セチュアンの善人」観てきました。俳優座創立80周年記念公演だそうです。面白かったです。ベルトルト・ブレヒトの作品は「肝っ玉おっ母とその子供たち」ぐらいしか知らなかったのですが、面白く、そして考えさせられました。
人は善人の方が良いのか?!それとも多少悪くても経済を回して豊かになった方が良いのか?!
シェン・テとシュイ・タが同日人物であるが、片方は騙されても何しても善人であり、片方は営利を追求していく人物である、シュイ・タが多少悪い事をしても営利を追求したおかげで町は豊かになり、人々は、シュン・テが善人の時は善人からだましてお金を取ることしかしなかった人が、今では働く事が出来、生活も豊かになった。最終的なところを演出した田中壮太郎さんが脚色したとのことなので、原作とは違っているかもしれませんが、終わり方が斬新で、どちらにしても良いとか悪いとかの結論を出してなくて、主人公が、神様にどっちが良いのか聞くのですが、神様が答えを出さずにどっちでもよい、流れに任せる、みたいな返事をするのです。確かに何が良くて何が悪いなんて、その時点では分からない。長いスパンで物事を考えてみないと誰が善人なんかもわからないなぁ、と思いました。その場でお金をくれる人が良いのか、きつくても仕事を与えてくれる人が良いのか?!・・・・。
《ストーリー》
人間が人間を搾取する架空の町セチュアン。
そこに住む男娼のシェン・テ(森山智寛)は、神様に一晩の宿を提供し、そのお礼にちょっとしたお金を手にいれる。
シェン・テはそのお金で小さな店を開くと、噂を聞きつけた知人や親戚が店に押し寄せ、居候。困ったシェン・テは架空の人物、従兄のシュイ・タに変装。
優しいシェン・テがこさえる問題を、時折現れる従兄のシュイ・タが冷静に解決していくのだが・・・。