小林正樹監督の傑作時代劇 「上意討ち 拝領妻始末」 | 市川名画座 娯楽的映画生活

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小林正樹監督の「切腹」は武家社会の不条理を描いた見応えのある傑作でした。

「上意討ち 拝領妻始末」はその4年後の1967年に三船プロによって製作されました。
 
原作は「切腹」と同じ滝口康彦、脚本も橋本忍です。
 
舞台は会津藩、三船敏郎演ずる笠原与三郎は藩内一の剣豪ですが婿養子で奥方には頭が上がりません。

ある日息子の加藤剛の嫁に藩主の側室だった司葉子が半ば強制的に押しつけられます。

しかし意外にも二人は仲睦まじい夫婦となり娘も生まれ笠原家は平和な日々が続きます。

ところが殿様の世継ぎが急死、側室だった司葉子の子供が世継ぎになる事になり、司葉子を再度大奥ふ返せと言ってきます。

お上のあまりの身勝手さに憤慨した三船敏郎と息子の加藤剛は徹底抗戦します。

人間社会の不条理を小林監督は格調高く見事に描きます。

小林正樹監督は黒澤明、小津安二郎、木下惠介等と比べると一般的には知られていませんが海外でも評価の高い名匠です。

その語り口に必ず引き込まれることと思います。

「上意討ち 拝領妻始末」はWOWOWにて放映中です。