東映任侠映画の代表的な悪役に天津敏という俳優がいました。182㎝の長身に鋭い眼光、ドスの効いた声で生涯名悪役として活躍しました。天津敏の俳優デビューは32才と遅く、ブレイクときっかけになったのはテレビ時代劇 隠密剣士 の敵役風魔の小太郎でした。敵役にもかかわらず人気で、主演の大瀬康一を喰ってしまいました。
その人気が買われてその後の東映の主軸となる任侠映画に数多く出演し、斬られまくりました。藤純子に一番斬られた俳優かもしれません。そんな天津敏の代表作が 1970年の 遊侠列伝 です。天津敏は高倉健の兄貴分で藤純子は天津敏の妹で高倉健とは恋仲です。あるトラブルがあり、高倉健と藤純子は駆け落ちしてしまいます。更に藤純子は重い病気にかかってしまいます。
妹思いの天津敏は妹を不幸にしたのは高倉だと激しく憎みます。設定は悪役ながら妹を思う天津敏の優しさが泣かせる、任侠映画屈指の名作だと思います。
その後天津敏は映画からまたテレビへと
活動の舞台を移し、1976年のNHKの朝どら 火の国 でヒロインの父親役で好人物を演じ、高い評価を受けます。その後1979年58才の若さで亡くなりました。
日本を代表するGOOD BUD GUY でした。