Struttin' Blues | Kei Funkdom

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53日(木)


昼過ぎに『レノン』の常連のTが働いている昭島のショッピングモールにアロマシャンプーを買いに行こうかと思っていると、マイクから電話があり、基地の中で彼女と食事をしているから来ないか?と誘われる。久々に基地へ遊びに行こうとパスポートを持って出かけて、ゲートに入るとタッキーからメールが来ていて、「今から休憩中だから来ない?」とあった。あとでマイクたちと合流することにして、昭島まで出向く。フードコーナーでたこ焼きを食べているとTが来た。頬杖をついて俺を見つめている。彼女の店でシャンプーを買って帰るとき彼女をからかったら、「もう、嫌い!」と言われた。


モールの地下の古本市でオカルト本を立ち読みしていて、錬金術の章が目に付いた。連金術を人生と男女の関係になぞられていて興味深かった。本来性質が全く違う男女が出会って同衾することで新しい生命を生み、傷つけあい、睦合い、人生は過ぎて行く。


マイクたちとカニ坂を自転車で走り、暗くなってから『佐助』へ行き、「若鶏の衣揚げみぞれかけ定食」を食べる。そのあとアイスクリームが食べたいとマイクが言い、『ブルーシール』へ連れて行く。紅芋のアイスを食べ終えて二人と別れ、フラックスへ行くと、扉に張り紙があって、用があるので9時に開店するとのことだった。店の前に立っていると宅急便の車が来て、配達員がビールのタンクを持って困っているので、アサヨさんに電話。俺が代わりに受け取りにサインして、10分ほどアサヨさんを待つ。


アサヨさんがお礼に1杯奢ってくれた。彼女が店のディスプレイ用に欲しがっていた「アビイ・ロード」のアナログ盤を進呈する。タケちゃんが来て、お喋り。彼は最近この近所にオープンした19歳の女の子が3人働いている居酒屋を見つけて、足繁く通っているらしい。タケちゃん矢も盾もたまらないらしく、俺の袖を引く。結局連れて行ってもらうことにした。アサヨさんは「1時間で帰って来るのよ!」と冗談めかしていたが、内心は怒髪天だったかもしれない。


明るい居酒屋で、その日働いていた子は星野真里に似ていた。ウィスキーの水割りを飲む。ラザニアを食べ、タケちゃんと交代でカラオケを歌った。俺は服部冨子の「満州娘」を歌い、次にNちゃんという19歳の子とダイアナ・ロス&マーヴィン・ゲイの「ユー・アー・エブリシング」をデュエットし、それから曲があって嬉しくて思わず選んだ中島みゆきさんの「生まれた時から」を歌った。タケちゃんは松山千春、尾崎豊を情感たっぷりに歌い喝采を浴びて、飲み代を払ってくれた。タケちゃんありがとう。


約束の1時間はとうに過ぎ、さぞやアサヨさん怒っているだろうなとフラックスへ戻ると、さにあらず、彼女は静かにテーブル席に座り、三線を弾いていた。3人で飲み直し、皆で『レノン』へ行こうと誘ったが、アサヨさんは来る予定のお客を待つと言った。


タケちゃんを『レノン』へ連れて行くと、ナゴムくん、Sさん、Kさんらがいて満員。みなさん既に出来上がっている。タケちゃんは、アサヨさんが今相手をしている自分の嫌いな、性質の良くない客のことが許せないらしく、何度も「奴を二度と来れないようにしてやる」と息巻いて、フラックスへ戻ろうとしたが、その度に俺とSさんが宥めた。でも、やはりタケちゃんは行ってしまった。Sさんがギターを鳴らし、Kさんがベースを構え、ビートルズ大会スタート。もちろん俺も加わって歌う。ナゴムくんが即興で歌い始め、これが皆に大受け。しまいには「雨に濡れながら、佇むひとがいる♪」と三善英史の『雨』まで飛び出し、俺も一緒に歌い、Hちゃんがはしゃぐ。こんな馬鹿馬鹿しく最高な店は他に無い。店仕舞いを終えたアサヨさんもやって来た。


5時近くにナゴムくんにゴールデン・カップスのDVDを貸し、アサヨさんたちと十字路で別れる。連日連夜このようななことをしていてはいけない。


5月5日(土)


昼間国立のレコード屋でフレッド・ニールのアルバムと萩原健一のライブ盤「熱狂雷舞」を買う。帰りの電車で対面に座っていた女の子の顔に惹かれる。化粧気が無く、決して美人という感じではないが、見れば見るほど味が出る顔で、藤真利子に似ていた。電車の中なので声をかける訳には行かない。カニ坂をサイクリングしていたら、日に焼けた。夜になってどこかで食事をしようと出かけたが、結局COCO一番に入り、フィッシュカレーを頼むと、テキサスから電話があり、一緒に『レノン』で飲んだ。飲んでいて、今日は面白いことは無さそうだなと予感したが、1時まで飲み、最近涙もろくなったHちゃんが、彼女を訊ねて来た友達の励ましの言葉に泣いているのを背にテキサスと『レノン』を出る。赤線をウロウロするが、結局チキンシャックへ辿り着く。スーパーセッションナイトが終わったばかりで、上気した顔のバンドマンたちがビールを飲んでいて、その熱気で店内は蒸し暑かった。ここでも面白いことはなさそうだなと思っていたが、この店の放つヴァイブとは波長が合うのか、段々と気分が昂ぶって来る。店長さんにテキーラを貰って飲み、シャックママさんが作ってくれた焼きそばを美味しく食べ、32周年のお祝いを述べた。ママさんによると、この店は開店して32年だが、戦後間もなくカントリー&ウェスタン・バーとして営業していたらしい。元々は長屋だったということだ。チキンシャック・マジックというべきか、ここへ来ると、何故か不思議なことが起こる。店内に流れているジャズ風にアレンジしたジミ・ヘンドリックスの「風の中のマリー」に惹かれた。それはジェイミー・カラムのヴァージョンだった。


4時近くなって『レノン』へ戻ってみたが、すぐ上の『QUEST』へ。隣に安奈さんという甲斐バンドファンの父親を持つひとがいた。テキサスと6時まで飲み、店に置いてあったショーケン特集のスタジオヴォイスを借りて外へ出ると、雨が降り始めていた。