7月12日(日) このようなルートで古くからの歴史ある道の一部を歩いてきました。
当日の朝 6:15 市ノ瀬ビジターセンターの駐車場に到着。 雨が降っています。
前日の土曜日からマイカー規制が始まったので砂防新道や観光新道から白山に向かう登山者はここでシャトルバスに乗り換えて別当出合の登山口まで移動します。
シャトルバスは例年は大型バスですが今年はコロナの影響で27人乗りの中型に変わっていました。
私は登りはシャトルバスを使わず白山禅定道(旧越前禅定道)を別当坂分岐まで登り、そこから観光新道を別当出合登山センターまで降りてからシャトルバスで市ノ瀬まで戻ってくる計画です。
このルートのコースタイム(CT)はちょうど5時間です。 4年前の2016年に一度歩いています。
ちなみに禅定道とは古くからの登拝道のことです。
日本三霊山のひとつで山岳信仰の対象となっていた白山への禅定道は加賀・越前・美濃の3方面から整備されていました。 一時は「登り千人 下り千人 坊に千人」 と言われるほど隆盛を極めていたそうです。 あと二つの霊山は富士山と立山です。
上空の厚い雨雲が通過して小降りになるまで待ちました。
8:00ちょうどに合羽を着て出発。
かなり遅めの出発です。 これ以上待てません。
別当出合登山センターへの車道を歩きます。
赤い橋の上からパチリ。
豪雨で水量が増していて どどどどど~! と恐ろしいほどの大きな音をたてています。
8:13 登山口に到着。 舗装された車道から山道に入ります。
この日の天候はわかっていて来たのですがやはり雨だとうっとうしいです。
でもこんな景色の中を歩いていると今日も来てよかったな、なんて思えてきます。
この登山道脇で4年前に見たこんな石↓
白山の恵みへの感謝の気持ちををシンプルに表現してますよね。
この石を探しながら登りましたが見逃したので当時の画像を載せます。
8:36 釈迦新道との分岐。 白山禅定道(旧越前禅定道)は画像奥側に直進です。
左折すれば白山釈迦岳~七倉の辻~室堂に向かう釈迦新道ですが災害復旧工事中で通行止めになっています。 もう2年以上かかっているんじゃないでしょうか? かなりの健脚者向けの道みたいですので開通しても私が登ることはあるのかどうか…
ペースと呼吸に気をつけながら登っていきます。
9:11 標高1230m地点。 手書きでシマイ馬場と書かれています。
昔はここまで馬で来ていたのでしょうか???
9:17 六万山(ろくまんざん)通過。
標高1260mは下山ゴール地点の別当出合と同じです。
なかなか味わいのある道です。
9:54 指尾山到着。 市ノ瀬から3.8km歩いてきました。
市ノ瀬の駐車場からここまでのCTは2時間40分。 CT比0.71?
いくらなんでもこのCTは甘すぎますね。
指尾山からは白山の展望もあるはずですがさっぱり見えず。
昔は 「伏拝(ふしおがみ)」 とされていた場所で、体力が無くて白山まで登れない人がここから見える白山を拝んだそうです。
このような伏拝ポイントは白山周辺にいくつもあります。 遠く離れた場所から神仏を拝む 「遙拝所」 と似たようなものでしょうか。
例えば全国に2700社あると言われている白山神社の総本宮の白山比咩神社にある白山奥宮は白山山頂にある本当の奥宮まで行けない人が行ったことにしてお参りできる場所です。
雨がやんだので指尾山で合羽の上着だけ脱いで進みます。
少し岩場になってきました。
10:27 剃刀窟(かみそりいわや)通過。
今から1303年前に白山を開山した泰澄上人がここで髪の毛を剃ったとの言い伝えがあります。
修験者?が残した木札や手彫りの木像が置かれていました。
前回もここで新しい木札を見ました。 山伏みたいな格好をした人を白山では見たことはないのですがいるのでしょうか。 立山や御嶽、そして修験道の聖地大峰山の山上ヶ岳では見たことがありますけど。
登山道はこの大岩の右を巻いて裏側に抜けて登っていきます。
木道や木の階段がありますが木道の滑りやすいこと! ツルツルヌルヌルです。(泣)
腰を落とした姿勢でなるべく苔の生えた場所に足を置くようにして進みますが怖いのなんのって。
雨の日のこの道は絶対にお薦めしません。 もし来るならチェーンスパイク持参で。マジ!
階段は滑りませんでしたがもし滑ったら 「さようなら~」 の危険箇所もあるので慎重に。
ヤセ尾根の岩稜帯に出ました。
右側(南東側)からは谷を流れる川の音が大きく聞こえます。
ササユリが咲いていましたのでパチリ。
11:25 慶松平に到着。 ここの木道は滑りませんでしたよ。 よかった。
ニッコウキスゲが綺麗です。
ここまで来ればもう少しです。
あとは別当坂と呼ばれている坂を登ればこの日の折り返し地点の別当坂分岐です。
11:40 別当坂分岐に到着。
指尾山からのCT比1.33です。 前半と後半のCT設定が?です。
市ノ瀬からの合計だとCT4時間に対して3時間40分。CT比0.92。
ということは合計CTもちょっと長そうです。
この日も呼吸を深くして登ってみました。 前々回落ち込みましたが少し自信が戻ってきたかな?
いやまだわかりません。 トシ相応に無理せず謙虚にいきます。
CTは余談でした。 今回のメインテーマに移ります。
別当坂分岐と富士山吉田ルート6合目との大いなる共通点とは?
興味のない方はすっ飛ばして画像だけ見て下さいね。
さて上の画像はこの日の折り返し地点の別当坂分岐。正面(山頂)方向は越前禅定道。 福井の 平泉寺白山神社 を起点とする古くからの由緒正しき登拝道です。
そのまま進めば殿ヶ池避難小屋⇒黒ボコ岩⇒室堂⇒山頂です。
(ここで 「あれっ?観光新道じゃないの?」と思われる方も多いでしょうね そのわけはあとで)
この日ここまで歩いてきた道(市ノ瀬⇔別当坂分岐)は荒廃していた越前禅定道を平成11年に整備したもので白山禅定道(旧越前禅定道)と呼ばれています。 荒廃していた理由は別当出合登山センターまでの車道が開通しそこからここの別当坂分岐まで新しい道が付けられみんなその新しい道を登るようになったからです。 新しい道の名前は? そうです観光新道。 今は別当坂分岐から上も観光新道と呼ばれてしまっていますが本来はそれはおかしいのでは?と思います。
上の画像から数メートル直進して振り向いたのが下の画像です。
画像正面(下山方向)は登ってきた白山禅定道(旧越前禅定道)。
画像に向かって左方向に道がありますがこれが観光新道です。
観光新道の降り始めの景色は下の画像です。
あとでここを降りていきます。
ここでもう1回3つ上の画像と同じものをご覧下さい。 ↓
古くからの登拝道を登ってきたところで右方向から新しい道が合流してきます。
合流した2つの道はそのまま山頂方向へと伸びていきます。
この場所と同じじゃないですか? 富士山吉田ルートの6合目。
上の画像で左下の矢印は麓の浅間神社ゼロ合目からの古くからの登拝道です。 そこを登ってきて6合目に来たら右側から新しい道が合流してきます。 富士スバルライン5合目からの新しい道です。
富士山の場合はここから先が画像右上に進む登山専用道と左上から降りてくる下山専用道の2本に別れていますし、旧道5合目からの小御岳道などがあってスケールが大きくなっていますが基本形は白山の越前禅定道と同じと思います。
あと、ひょっとしたら共通点を補足するかもしれない事柄として①富士山旧吉田ルートの馬返しと越前禅定道のシマイ馬場の存在 ②富士山旧吉田ルートの日蓮聖人旧跡 「姥ヶ懐」と越前禅定道の「剃刀窟」の存在など。(①のシマイ馬場は調べましたがよくわからず)
整理しますと富士スバルラインのバスの出発地点の富士北麓駐車場は白山のシャトルバスの出発地点の市ノ瀬ビジターセンター、バスの終点の富士吉田口5合目は白山の別当出合登山センター、そして富士吉田口5合目~6合目は白山の観光新道、浅間神社~6合目の古くからの登拝道は平泉寺白山神社~別当坂分岐の越前禅定道(市ノ瀬~別当坂分岐間は白山禅定道と改称)と同じなんです。
なんて、長々と書きましたが読み返してみるとあまり面白くないですね。(^^ゞ
書く前はとても興味あるテーマだなと思っていましたが自分に文才が無いのを自覚しました。
それと思い入れ&思い込みだけで書きましたが間違っているかもしれません。お気づきの点はご指導をよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
過去の旅人に思いを馳せること数分、雨がまた降ってきたので合羽の上着を着て観光新道で下山開始。 11:45です。
観光新道はかなりの急勾配です。 滑らないように注意。
落石させないようにも注意です。 雨の日のこんな中途半端な時間にここを通っている人もいないでしょうが。
大雨の影響で渡渉箇所も出現していましたよ。^^
12:43 別当出合登山センターに降りてきました。 ほぼCTと同じです。
シャトルバスが停まっていました。 片道料金500円払って乗車。 13:00出発とのこと。
運転手さんに人数制限を行っているか聞いてみましたら20人だそうです。
5席ある補助席を入れて27人乗りのバスです。 20人だと見た目ほぼ満席のイメージですね。
乗車に備えてマスクとアルコール消毒液をザックに入れてきましたが消毒液は乗車口に完備、マスクは乗客が私一人だったので必要ありませんでした。^^
10分ちょっとで出発地点の市ノ瀬ビジターセンターに到着。
ササッと着替えて帰路へ。
この日は夕方から友人と焼き肉だったので時間の制約があり温泉は無し。家で入ります。
雨でしたが決めたテーマに沿って登れて有意義な登山で楽しかったです。
最後までお読みいただきどうもありがとうございました。