暴風の中を大山(鳥取県 1,709m 日本百名山・日本四名山)に登る 2016.05.04 | ケイの山とスキーの日記  

ケイの山とスキーの日記  

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鳥取砂丘を登って足慣らしをした翌日、今度は日本四名山の大山を目指す。
 
日本四名山とは富士山、立山、御嶽山、大山。
ちなみに日本三名山は富士山、白山、立山。
誰がどういう基準で選んだのかは知らない。
 
富士山は中学生のときにバスで五合目まで行った。
立山は一昨年にもえぎのさんと初登頂。
御嶽山はスキー場のリフトで標高2,200mまで10回以上行ってるが噴火以降山頂は登頂禁止。
白山は地元の山なので6~7回登ってるかな。今年は春・夏・秋と別ルートで3回は登りたい。
大山は3年前に山麓の牧場で牛乳を飲みながら見上げただけ。そのときの記事は こちら
 

そしてその大山に登る日が来た。

午前6時過ぎ。一路大山を目指す。
 
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天気は最高だが前日から風が強い。
山陰道の海沿い部が通行止めになっていた。
山の天気情報では山頂は風速24~27mの強風、というか暴風らしい。




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しかし道中はとても爽やか。
窓を開けて走ると気持ちいい!




南光河原駐車場はいっぱいだった。
少し登って下山野営場の駐車場に。
 


空いててよかった。

隣の多摩ナンバーの若いカップルと挨拶。
登山中もお会いしたがとても爽やかなお二人だった。




7時過ぎに標高780mの夏山登山口から登り始める。
目指す山頂(弥山)は1,709m、
大山にはもう一つ剣ヶ峰と呼ばれるピークがあってそちらの標高は1,729m。
ただし弥山から剣ヶ峰に向かう稜線は崩壊が激しく通行止めとなっていて弥山が実質的な山頂。


ブナ林の中を買ったばかりの登山靴で歩く。気持ちいい。

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五合目で少し休憩。

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地図の右下、夏山登山口から登り始めて現在地に来た。
黒い矢印のコースで歩く予定。 この地図は上が南になっている。

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六合目あたりから背の高い木はなくなってくる。

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なんとなく整備された登山道だなと思いながら登っていたが
考えてみるとここまでずっと階段ばかりだ。
崩壊しやすい地質の関係だろうか。




七合目と八合目の間の1,500m地点。
晴れていたら米子や境港が見えるのだろう。

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下山してきた男性に山頂の風はどうかと聞いてみた。
八合目から上は突風で大変だったらしい。
それを聞いて帽子が飛ばされないようにフード付きのウィンドブレーカーを着て
フードをかぶり紐を調節してフードの開口部をきっちりと締めた。
これで大丈夫と思ったがきっちり過ぎて鼻息でメガネが曇るので少し緩める。


八合目。ちょっと風は強くなってきたけど全然大したことはない。
家族連れやカップルや単独の方たちが休憩している。

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するとかなり前に私を追い越して登って行った小学生の男の子が降りてきた。
「もう登ってきたのか。早いな」と声をかけると「風が強いので引き返してきました」とのこと。
なんとしっかりした男の子だろうか。
別の降りてきたグループからは「やっと地獄から逃げてこられた」なんていう会話も。
風はかなり強そうだ。



1,600m地点。ここから急に風が強くなった。
ここで皆さん少しためらってから覚悟を決めて登っていく。
今までずっと階段だった登山道が階段でなくなった。

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国の天然記念物、ダイセンキャラボク純林帯。
ダイセンキャラボクを保護するため板道が設置されている。

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風は結構強い。進行方向右側だけにロープが張られている。
それをつかんで登っていくが下山してくる人とすれ違うときはどちらかがロープから手を離さなければならない。
登山でこんなときのルールはどうなんだろうか。


午前9時半ごろ、山頂避難小屋に着いた。頂上はすぐそこに見えている。
指先が冷たかったのとお腹がすいたのとで、しばらく休憩することに。

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中には20人くらいの人がいて半分以上の人がお湯を沸かしてラーメンを食べていた。
うらやましかったがそんな道具は持っていないのでパンをかじる。
次はお湯を沸かす道具を買わなければ。

冷たいパンだったが美味しかった。
では山頂へ。

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「大山頂上」の石碑。逆光でよく見えない。
ここで記念撮影する人たちも逆光で困っていた。



ここからもう一つのピークである剣ヶ峰を見ながら360度回って動画を撮ってみた。
 

 
 
剣ヶ峰に向かう道は通行止めになっているが別の登山道のユートピア避難小屋から剣ヶ峰に登れるという情報もある。
今度もしこの山を再び訪ねることがあったらそちらのルートも調べてみよう。


帰りはダイセンキャラボクの西側を通るルートで。
分岐で動画を撮る。
 

 
 
このときはまだ余裕があった。
しかし進んでいくと西側ルートの板道にはロープが張っていないことに気付く。
ダイセンキャラボクのクッションもないところがあって、板道から西側に落ちたらそのまま下まで滑落していきそうなかなり危険なところもあった。写真撮る余裕無し。
おまけに急に風が強くなってきた。身の危険を感じて姿勢を低くする。
着ている薄いウィンドブレーカーが縫い目から裂けるんじゃないかと思った。
西風だったからまだよかったが東風だったら怖くて四つん這いになって東側ルートに引き返したと思う。
昔勤めていた会社に風洞実験装置があって30m/sの体験をしたことがあるがあれは凄かった。
このときの風もそれに近いものがあったと思う。
ここが冬の北アルプスの核心部だったらこんなふうに後悔しながら人間って死んでいくのかな、なんて思った。
ちょっと大袈裟だけど。


 
いろいろ考えたり、はたまた無心になったりいつもの登山中の自分を楽しんでいたら六合目に着いた。

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しばらくして行者谷分かれに到着。
登山道には「分かれ」とか「出合い」とかいう名前の付いている分岐が多い。

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「別れ」と「出会い」ではないんだな、なんて思いながらここを予定通り右折して行者登山口方面へ降りる。



ブナの茂る林まで降りてきた。気持ちいい。

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「日本百名山」の著者、深田久弥の言葉を借りると 「みごとな崩壊ぶり」 の大山北壁。

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大神山神社奥宮に着いた。

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前を歩いていた若者が登山道を振り返って帽子を脱いで深々と礼をした。

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山頂のあの強風が嘘のようないい天気だった。
 
しかしこのときは気づかなかったが大神山神社奥宮本殿の檜皮(ひわだ)葺屋根(国重要文化財)に折れた杉の木が突き刺さり大きな被害が出ていたことをあとで知った。
 
このあとダブルヘッダー。
日本で一番危険な寺、三徳山三佛寺への参拝登山を目指して車を東へと急ぐ。