【カシャリ!庭園めぐりの旅】 岩手県盛岡市 南昌荘4 太鼓橋・逢来橋と石像 池泉廻遊式庭園と明治時代の和風建築
若い頃からひとり旅が好きで、経営コンサルタントとして独立してからは、仕事の合間に旅をしたのか、旅行の合間に仕事をしたのかわかりませんが、カメラをぶら下げて【カシャリ! ひとり旅】をしてきました。
旅のテーマは寺社や庭園めぐりです。
日本には「日本庭園」と呼ばれる庭園だけではなく、「イングリッシュガーデン」など、海外の庭園形式をした庭園も多数あります。寺社を訪れたときに、想定していなかったところに、庭園を発見することがあります。
下手の横好きで、【カシャリ! ひとり旅】を続けていますが、その一環で訪れた庭園を順次紹介してまいりたいと思います。
■ 岩手県盛岡市 南昌荘4 太鼓橋・逢来橋と石像 池泉廻遊式庭園と明治時代の和風建築
南昌荘(なんしょうそう)は、盛岡駅南東2キロほどのところに位置し、2000年に一般公開されました。明治時代の和風建築と池泉回遊式庭園があり、盛岡の隠れた名所とも言われ、リピーターの多い所です。
「四季折々、庭の表情を変え、日本の伝統的な建物が醸し出す安らぐ場所」という類いの声が訪問者から聞かれるそうです。
いわて生活協同組合が所有し、春のひなまつりから各種作品の展示会、お茶会、コンサートなど多彩な催し物や、俳句会、趣味の会の会場としても利用されています。
南昌荘の座敷は、2007年のNHK連続テレビ小説「どんど晴れ」の草笛光子さん演ずる大女将の部屋のモデルにもなりました。広い廊下や縁側とあわせて、老舗旅館の趣を味わえます。
明治18年に建てられ、盛岡市の「保護庭園・景観重要建造物」に指定されています。庭園は、阿部仁太郎と川目末松という地元の庭師の作庭によります。阿部仁太郎の息子・阿部長太郎は、『大清水多賀庭園』を作庭していますので、阿部家は盛岡の有力作庭家一家でありそうです。
「盛岡市自然環境及び歴史的環境保全条例」に基づいて、市内の由緒・由来のある建造物や都市景観上保全が必要な歴史的建造物を景観重要建造物としても指定しています
南昌荘の庭園は、国登録記念物、盛岡市指定保護庭園・景観重要建造物に指定され、盛岡市の保護庭園として管理されているようです。
この辺りの有力大名だった南部氏の城下町であっただけに、時代は異なるものの建物は盛岡市の保存建造物としても評価できます。
『旧古河庭園』、『無鄰菴庭園』、『慶沢園』等とも並ぶ庭園と評価する人もいるほどの名園といえます。
敷地が、主屋から池泉に向かってゆるやかに下っていく感じは、日本を代表する作庭家・小川治兵衛を彷彿させる造成になっています。一風変わった雰囲気を醸し出す石造物もあり、近代庭園という感じがあります。
建物が高床式になっているところが、東京や関西でよく見られる近代庭園と一味違う所といえます。主屋の“南昌の間”から座って眺めても、見渡せるのが特徴でもあるといえます。
桜、新緑、紅葉の時期は最高といえますが、四季を通じて近代日本庭園を味わえるところがお薦めです。
茶房も利用できますので、お茶だけではなくコーヒーなども楽しめます。上述の南昌の間の窓際に席を取っていただくと庭園を見下ろす感じで楽しめます。ちなみに、お抹茶の和菓子には、中に栗の入ったおしぼりで、少々甘みが強いですし、大きめですので、それを前提にご注文されてはいかがでしょうか。
元は1885年(明治18年)、盛岡出身の実業家・瀬川安五郎の邸宅の庭園でした。瀬川安五郎は、盛岡藩の両替商の家に生まれた後、明治維新に入ると生糸商として、また、秋田の荒川鉱山の経営に乗り出し、“みちのくの鉱山王”の異名をとるほどになりました。
その後、所有車が何代かに変わり、現在は後述のように生活協同組合が運営しています。
“平民宰相”の愛称のある原敬夫妻が1カ月滞在したり、伊藤博文が韓国皇太子・李垠殿下とともに訪れ園遊会を開いたりと中央の政治家も来訪するほどでした。
大正時代には、岩手銀行の前身・盛岡銀行の頭取をつとめるなどで“金田一財閥”を築いた金田一勝定が購入し、増築され、現在にまで残っています。
近年、南昌荘の歴史的な邸宅・庭園が高層マンションに建て替えられる話が持ち上がり、この文化遺産を守ろうと盛岡市の生活協同組合が購入して存続の危機期を回避できたそうです。
【アドバイス】
冬期は、入園できる時間帯が短いのと、月曜日と火曜日の二日間が休園となっていますので、スケジュールを決める時に注意が必要です。
また、公共交通機関の利用ですと、やや不便なところにあります。盛岡城址公園から、徒歩でも15~20分程度ですので、それも一考かと思います。
また、住宅街に位置しますので、ナビなどを利用すると良いでしょう。
アクセス
JR東北新幹線 盛岡駅より徒歩30分弱
盛岡駅より路線バス「下の橋町」バス停下車 徒歩3分(所要時間:7分、 150 円、距離 1.7 km)
〒020-0875 岩手県盛岡市清水町13-46
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太鼓橋(蓬莱橋) 庭園最南端
主屋から、左手(東)の東池庭園を見ながら
芝広場を下ると東池と西池をつなぐせせらぎに出ます。
写真手前の蓬莱橋の下をせせらぎが流れています。
左奥には石像が立っています。
蓬莱橋を渡ることはできません。
その右手に木橋があります。
蓬莱橋と木橋
木橋から見た蓬莱橋
蓬莱橋対岸のたもとには雪が残り
左奥には石像が立っているのが見えます。
石像が二体、並んで立っています。
角度を変えてみても、顔らしく見えますが
なんだかわかりません。
モダンアートなのでしょうか。
現代風の観音様?
パゴダ
振り返ると高床の主屋「南昌の間」が見えます。
望遠を使うと「南昌の間」のつるしびなが見えます。
<南昌荘5へ続く>
盛岡市 南昌荘1 前庭と建物 池泉廻遊式庭園と明治時代の和風建築
盛岡市 南昌荘2 名残雛と建物内部 池泉廻遊式庭園と明治時代の和風建築
盛岡市 南昌荘3 東池庭園と高砂松 池泉廻遊式庭園と明治時代の和風建築
盛岡市 南昌荘4 逢来橋と石像 池泉廻遊式庭園と明治時代の和風建築
盛岡市 南昌荘5 西池と茶室 池泉廻遊式庭園と明治時代の和風建築
盛岡市 南昌荘6 北池を散策 池泉廻遊式庭園と明治時代の和風建築
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写真集は、下記URLよりご覧いただくことができます。
静止画: http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/indexmeisho.htm
映像: http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/indexmovie.htm
【 注 】 映像集と庭園めぐりは、重複した映像が含まれています