【カシャリ!ひとり旅】 山形県天童市 御苦楽園“修養の庭”1 銘石・格言・借景を楽しめる池泉回遊式庭園
若い頃からひとり旅が好きで、経営コンサルタントとして独立してからは、仕事の合間に旅をしたのか、旅行の合間に仕事をしたのかわかりませんが、カメラをぶら下げて【カシャリ! ひとり旅】をしてきました。
旅のテーマは寺社や庭園めぐりです。
日本には「日本庭園」と呼ばれる庭園だけではなく、「イングリッシュガーデン」など、海外の庭園形式をした庭園も多数あります。寺社を訪れたときに、想定していなかったところに、庭園を発見することがあります。
下手の横好きで、【カシャリ! ひとり旅】を続けていますが、その一環で訪れた庭園を順次紹介してまいりたいと思います。
■■ 山形県天童市 御苦楽園“修養の庭” 銘石・格言・借景を楽しめる池泉回遊式庭園
「御苦楽園」(ごくらくえん)は、昭和初期に当地の実業家・水戸部弥作によって造られ、昭和40(1965)年に開園した池泉回遊式庭園です。天童市街地の外れにある、個人の作庭・運営による庭園ですので、正直なところ、行く前はあまり期待をしていませんでし。良い意味で、期待を裏切られました。
庭園の設計は、地元の庭師・山口助松(養樹園)と、松下幸之助の『真々庵』を手掛けた京都の庭師・川崎幸次郎です。
当園設立者、現園主の曾祖父で、山形県東村山郡干布村の農弥十郎の次男として生まれました。16歳の時、父親が多額の財産を分与しようとしましたが、深く考えるところがあって固辞し、当時金百円の資金のみを受けて分家しまし、水車、米穀販売業を営みました。
生来、剛毅かつ独立心が強く、幾多の労苦を重ねて大いに発展しましたが、その後、長兄に死なれ、実家に戻り家督を相続しました。実家に戻って3年後、酒造業(山形正宗)に着手し、短期間に、地方の醸造家として世に知られる程でした。
しかし自生活にはきわめてきびしく、その反面、学校教育および各種団体の育成にはきわめて熱心で、それらに対しての尽力は人の目を驚かすものがありました。
50才の春、決するところがあって、長男に酒造業を、次男に醤油醸造業を担当させ、自らは敷地弐千数百坪の土地を買い上げて隠居しました。昭和初期の不況下に、失業対策をかねて、当園を庭することにし、多数の人夫を雇うなど、失業対策に尽力しました。
子孫には財産よりも精神を相続させる方が有意義と信じ、自分が過ごした青年時代から経験してきた修養の資とした処世訓や、古今の金言の数々を柱石に刻み、庭園に立て、その一部が多数、今日までも残されています。近所の子供達を集め、その柱石を読ませ、褒美を与えたと言います。
人生の苦しみと楽しみを盛った庭園という意味で「御苦楽園」と名づけました。
園内には、県内外から銘石、銘木を集め、山、沢、池、滝を配しました。石灯籠の多さも特徴的で、「一家にお金は残さない」としましたものの、「いざという時、いつの時代にも価値あるもの」といった意味が石燈籠にあるという考えだったそうです。
かつての主屋の前にも築山式の池泉鑑賞式庭園があり、隣接する蔵屋敷なども見学できます。大きく4つのエリアに分かれていると言って良いでしょう。
入園してすぐ前が四阿(あずまや)跡と自動自活石柱のあるところで、四字熟語による代表的な格言としていることがわかります。
そこに隣接する池泉エリアが最大のところで、宝来山(蓬莱山ではない)から見下ろすとその素晴らしさが格別です。
三番目が、主屋・なまこ壁の蔵エリアで、小さな池があります。
4つ目は、裏庭と言っても良いのでしょうか、築山のある池泉鑑賞型庭園です。
各々がバラバラではなく、かといってまとまっているのでもなく、不思議な融合感で繋がっています。
庭園面積は、5,940平方メートルですが、ちなみに隣接している小学校までが、かつての水戸部家の敷地であったそうです。教育に対して熱心な水戸部弥作が、その敷地の一部を寄贈したそうです。
個人で、これほどの庭園を造れたのは、水戸部の強い社会観があったればこそと考えます。
【 注 】 エリア名は、当ブログ管理者の命名
■ アクセス
JR山形新幹線 天童駅・山形駅より路線バス「ごくらく園口」バス停下車 徒歩3分
天童駅より約4km(レンタサイクルあり)
JR奥羽本線 天童南駅より約3km(徒歩約40分)
〒994-0051 山形県天童市奈良沢乙47
入園時間 8:00~17:00
休園日冬期間 1月10日~2月末まで休園
駐車場 無料駐車場
入園料 個人 大 人 400円 子ども 200円(30名以上団体割引あり)
※ 案内希望の場合は別途1,500円
事前予約 電話にて事前に予約 023-653-3392
サイト http://gokuraku-en.jp/gokurakuen.html
■ 【アドバイス】
天童駅から4kmもありますし、路線バスも少ないので、スケジュールを組むときには、事前に調べておくことをお勧めします。
私は、山形駅前から山交バス天童線・天童駅前行きに乗り、ごくらく園口で下車しました。この路線は、山形駅と天童駅の間を往復する路線ですので、おそらく天童駅で折り返すのでしょう。
ごくらく園口バス停で降りると、20数m戻ったところの道を入るのですが、案内板が見にくいですので、注意が必要です。
乗車時間は、40分弱、乗車賃は590円(2022年現在)です。長い距離を走るからか、乗車時間になってもなかなか来ないですので、諦めずに辛抱強く待つ必要があります。
私は、予約なしでゆきましたが、親切に対応して下さいました。
金言集も販売されています。
■ 自動自活 学びのエリア
園内マップ(公式サイトより)
正門
平素は閉門していますので、通用門から入ります。
四阿(あずまや)跡
大きな石のテーブルと形の良い石製のスツール
右手が自動自活石柱のある学びのエリア
自動自活石柱とユニークな石塔
石塔の足元はさざれ石でしょうか?
自動自活
自動自活石柱脇の石灯籠
園内にはユニークな石灯籠や庭石がたくさんあります。
背高のっぽの石道路
火をどのようにして点けるのでしょうか?
奥につららを逆さにしたように見えるのが
金言が彫られた石柱
金言石柱
「山口助松殿」と彫られていますので
寄贈された方でしょうか。
金言石柱前から自動自活石柱を振り返る
宝来山のあるメインエリアへの入り口
上記写真の右手
【カシャリ!庭園めぐりの旅】 山形県天童市 御苦楽園“修養の庭”1 自動自活 学びのエリア
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リスト http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/indexmovie.htm
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写真集は、下記URLよりご覧いただくことができます。
静止画: http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/indexmeisho.htm
映像: http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/indexmovie.htm
【 注 】 映像集と庭園めぐりは、重複した映像が含まれています