■■【経営コンサルタントの独り言】 法人住民税
税理士・経営士 谷澤 佳彦 氏
日本経営士協会 理事・首都圏支部長
谷澤佳彦先生は谷澤佳彦税理士事務所の所長で、税理士業を中心にご活躍中です。
また、最近は「日本経営士協会 首都圏支部長」として活躍なさっております。このシリーズでは税金について税理士として、ご活躍の谷澤佳彦先生、質問は経営士俵一史先生が致します。
※筆者詳細情報→ http://www.jmca.or.jp/meibo/pd/1065.htm?mag2
◆ 法人住民税 ◆
Q:今月は住民税について教えて下さい。
地方展開を開始した東京の関与先から、東京より高い住民税を課されたという話を伺いました。どういうことでしょうか?
A:法人住民税は、利益に対して課す所得割という部分と、その会社の資本金と従業員の数に応じて課す均等割という部分があります。
Q:ではまず、所得割から教えて下さい。
A:所得割は、法人税に対して都道府県民税5%、市町村民税12.3%が原則です。この率は標準税率というものですが、財政の厳しい自治体には条例により各々6%、14.7%まで課すことができます。これを制限税率といいます。
Q:どれぐらいの自治体で標準税率を超えて課税しているのでしょうか?
A:手元資料によりますと、都道府県民税では静岡県以外の46都道府県、市町村民税は1,724市町村のうち、999市町村で、標準税率を超える税率を課しています。但し、中小法人には担税力を考慮して、標準税率としている自治体が多いようです。
Q;均等割はどうでしょうか?
A:都道府県民税は標準税率しかありません。標準税率といいますが、率でなく資本金と従業員数に応じた金額で示されています。市町村民税にも金額を示した標準税率があり、制限税率は条例により、標準税率の1.2倍まで課すことができます。
Q:今回相談を受けた関与先は、この標準税率を超える課税を行う所に事業展開をしたのですね?
A:そうですね。また、横浜市の場合、法人住民税均等割はそのままにして、均等割の9%相当額の「横浜みどり税」なる税を課しています。茨城県の場合、均等割に10%相当額の森林湖沼環境税を課しています。他の自治体でも同様のものを見受けることがあります。地方税は自治体によって違いがありますので、要注意です。
Q:ところで逆に、標準税率を下回る税を課す自治体はないでしょうか?
A:あります。私の知る限り、名古屋市は減税条例により標準税率を下回る課税が実施されています。
Q:地方税はややこしいものですね。
A:私ども税理士にとってもクセモノです。初めて申告書を提出する自治体については、必ずホームページで税率を確認しています。
Q:ありがとうございました。
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