部下育成において、部下への期待はいろいろありますね
「もっと自分で考えて、やってみて欲しい」
「積極的に、いろんなことにチャレンジして欲しい」
「受け身でなく、主体的に動いてほしい」
などなど、いろんな期待があると思います
でも、その期待とは裏腹に、何度も言ってるのに、なかなか主体的に動いてくれないし、積極的に動いてくれないし、チャレンジもしてくれないし…という悩みを抱えている人も沢山います
ちょっと待ってください
「もっと自分で考えろ」
「主体的に動けよ」
「積極的にチャレンジだ」
と言葉で言って、それで動いてくれれば最高ですが、言って動いてくれるなら苦労しませんよね
そう。言うだけで期待する方向に動いてくれる訳じゃないんです
じゃぁ、どうすればいいの?
そこで、「承認スキル」を発揮することです
承認スキルとは何かというと、
『「そこにいる」という存在に気づき、それを認め、認めていると伝えること』です
・相手の存在そのものを認める
(挨拶や声掛け、アイコンタクト、感謝・ねぎらいの声掛けをする)
・相手の変化や成長を認める
(小さな変化も見逃さず、相手自身の変化をとらえて声掛けする)
・相手の行動や結果を認める
(がんばりや結果に対して声掛けする)
といったことを、日頃からよく観察し、タイミングよく声掛けしていく積み重ねが必要なんです
それだけでなく、部下の話を聞くときも
・受け止め言葉を使って、部下の話を受容する
(「確かになぁ」「なるほど~」「そうなんだ」)
・部下の話を促進する言葉を投げかける
(「もう少し詳しく聞かせて」「それでどうなった?」「詳しく教えて」)
・違うなと感じる意見も、まずは受け止める
(「そうくるか」「そういう考え方もあるかぁ」「面白いね」)
といった形で、部下の話をしっかり承認する積み重ねも必要なんです
上司からの承認行動が増えてくると、部下の心の動きに変化が起こってきます
①居場所があるという安心感ができる
②「自分もやれる」という自信が出てくる
③自己成長を実感できる
④やる気や自発性が高まり、積極的になる
⑤目標達成を促進する
⑥相手との信頼関係構築のきっかけとなる
⑦「人の役に立っている」という充実感を生む
⑧新たな挑戦へのエネルギーを生み出す
このような心の動きが起こってくるからこそ、自分で考えてやってみよう、次はこうやってみよう、新しいことに挑戦してみようという行動が生まれてくるんです
つまり、「主体的に」「積極的に」と言うだけでなく、日頃の部下の言動をしっかり観察して声掛けしていくことで、部下の中に「ちゃんと見てくれているんだ」という心理が生まれ、結果として期待する方向に部下が成長してくれるようになるんです
「言うてるんですけどねぇ…」と悩んでいる管理者の皆さん
まずは、しっかり部下の言動を観察し承認してみてください
その積み重ねが、私たちの想いを受け取ってくれることにつながります