コロナになって2年半。
仕事におけるコミュニケーションも、対面だけでなくリモートで行うことも織り交ぜながら行われるようになりました。
加えて、働き方改革の推進で、リモートワークも増えてきたことで上下左右のコミュニケーションの量は以前よりは減っているかと思います。
そんな中、今も昔も変わらずマネジャー研修で出てくる悩みとして、
・報連相も、もっとやれって言ってるんだけどなぁ…
・方針についても、事あるごとに話はしてるんだけどなぁ…
・仕事の目的や納期も、ちゃんと伝えているんだけどなぁ…
といった話をよく聞きます。
一方で、メンバーの研修で出てくる話としては、
・週報は出してるんで、特に口頭で報連相はしてないですよ…
・方針ですか?意図まで聞いたことないですよ…
・目的も納期も聞きましたけど、他の人から仕事を頼まれてしまって…
といった話がよく出てきます。
上司の伝えているのに…という思いに対して、メンバーはやってますよ、そこまで聞いてませんよといった受け止めをしている。
こうやってコミュケーション・ギャップが生まれてしまっているんです。
そして、この状況を解決するために研修のテーマに上がるのが、
上司を対象に「部下とのコミュニケーション」をテーマに研修をやろう
です。
確かにこの問題を解決するには、やはり上司のマネジメント力を高めていくことがカギになります。
なので、アプローチとしては間違ってはいないのですが、何かが足りません。
それが、メンバー側の受け止め力の問題です。
いくら、上司がきちんと報連相の意図や方針の意図、仕事の目的や重要度を分かりやすく伝えても、1回で終わらさず日頃から何度も切り口を変えて「なぜ」を伝えようと頑張っていても、そのメッセージを受け取るメンバーに受け取るスキルがなければ、そりゃスルーされてしまいます。
だからこそ、受け取るメンバー側も上司の発信に対して「Why」を考えながら聞くことが必要だし、自分の視点だけじゃなくて立場によっては上司の視点も理解しながら聞くことが必要になってきます。
ところが、メンバー側の思考の落とし穴として、会社に入社すると、まずは「Do」をすることが求められる。
慣れてくると、次はもっと早く、効率よくDoするにはどうすればいいか、「How」を考えることが求められる。
それで10年も仕事をしていると、上司から何か言われた時に「Why」を考えるよりも「How」と「Do」を考えて動くことに慣れてしまうんです。
(自分の視点だけで仕事をしてしまうことに慣れてしまう)
これでは、いくら上司が「なぜ」を伝えてもメンバーは受け取れないわけです。
だから、メンバーにも教育を行っていくことが必要なんです。
もちろん、上司がOJTで指導・教育していくことも必要ですが、最近は上司は上司でとても忙しく、なかなかそこまで手が回らないのも昔と違うところです。
だったら、会社として教育をきちんと行っていかないと、いつまでたってもこの問題は解決できません。
なぜなら、「コミュニケーションはお互い様」だからです。
そうは言っても、明日からすぐにメンバーの研修をやろうというわけにはいきません。
だからこそ、日頃の仕事においてほんの少し相手に思いやりを寄せてコミュニケーションを取って行きましょう。
合言葉は、「コミュニケーションはお互い様」です。