パリオペラ座バレエ団2024年来日公演 マノン
先週は金土の夜は2日続けて上野へ。
金曜日はバレエピアニストさんのコンサートへ↓
土曜日はパリオペラ座バレエ団のマノンを鑑賞しました
去年、ル・グラン ガラでドロテ・ジルベールのマノンを観てから、是非全幕で観たいと思っていました
今回の引越し公演は白鳥にはあまり惹かれなかったので、マノン一択でした
でも、ドロテも見たいしマチューも見たいし、、
欲を言えばマチューの公演もやっぱり見たかった。。。2人ともアデュー(引退)近いですからね
ガラ公演だと、AプロもBプロも観たければ両方迷わず買うのに、同じ作品の公演になると途端に迷う貧乏性こんな自分を呪いたい。。。
しかも、本当は金曜日の夜のマノン初日で観ようかと思ってチケットを買うか去年から迷っていて(バレエのお教室のピアノコンサートと日程が被ったので)ギリッギリまでちんたら迷っていたら、初日のチケット買えなくなってしまい
遂に迷う余地すらなくなり、金曜日の夜は自動的にピアノコンサート一択になり、土曜日のソワレのチケットを直前に買うことに。B席、、、しかも、舞台が見切れる微妙な席になってしまった。。。公演が素晴らしかっただけに大後悔
よくよく考えると、ドロテを観るなら最初から土曜日のソワレにしておけば、金曜日の夜はピアノコンサートに行って、土曜日のソワレはもっと早くS席の良い席買えたんじゃ
大馬鹿者です、、、、自分。。。
海外の人気バレエ団の引越し公演って本当にチケットが高いんですよ。。。いや、本国に行くことを思えば安いけどさ。
ガラの方が気持ち安いのは、オケが入らないからかな8月とかバレエ公演のチケット代だけで10万くらいいってしまう勢い
当日の配役表を見ると、主要な役ではレスコー役がアンドレア・サリに変更になっている。
マノンはケネス・マクミランが生み出した"ドラマチックバレエ"(原作あり)
演劇性の高いバレエで、古典バレエよりももっともっとダンサーの演技、表情が重要で見どころなわけです。もちろんいつも通りオペラグラス持参で行くわけですが(S席で前から5列目とかでもオペラグラスでダンサーのつま先とか見たい派)もっと良い席で観たかった。。。(しつこいですね、すみません)
ドラマチックバレエで、
B席3階席でオペラグラス無しなんて鑑賞放棄と言っても過言ではないだって、ダンサーの表情よく分かんないじゃん。雰囲気を楽しむだけじゃ半分も楽しめない。
私の隣に座っていたお嬢さんは途中でそのことに気付いたようで、2幕と3幕の幕間でオペラグラス買いに行ってました
彼女はあまりバレエやお芝居を見慣れてないなかったのかもしれません。見慣れていたらこの席なら絶対オペラグラス持参するはずなので。こんな席でも21,000円しますし、普段バレエ観ないならこの額を出すって私ならできませんチケットもらったのかな?自分で買ったのかな?でも、彼女の行動からすると、彼女はきっとこの先今までよりもバレエを観ると思うし、絶対オペラグラスがあった方が楽しめるということを痛感したはず
そして唐突に、『今まで(ダンサーたちは)どんな表情していたんですか?』と質問されてしまった
え?2幕分の?なかなか抽象的な質問で困ってしまいましたが、とりあえず2幕の最後のマノンがどんな表情してたかお伝えしておきましたその後、少々会話しました。(ちなみに私は人見知りおばさんです)
白鳥の湖やくるみ割り人形などの古典バレエの代表作品はバレエを観たことのない人でも知っていると思いますが、もしかすると一般的にはマノンって知名度低いかも?といことで、少し内容に触れておきますと、、、
舞台は18世紀のフランス、パリ。
主な登場人物は4人。
主役はタイトルと同じく"マノン"。
マノンは美しく可憐な16歳の少女。
マノンと恋に落ちる若いハンサム学生デ・グリュー。
マノンの兄のレスコー。
大富豪の老人、ムッシューG.M
世界の民謡・童謡のストーリーがとても分かりやすいので、貼っておきますね。
ストーリー↓(上記リンク先より抜粋)
パリ郊外の宿屋に一台の馬車が停まった。中から降りて来たのは、ひときわ美しい少女マノン。家庭の事情で修道に入るため、途中で立ち寄った宿屋だった。
宿屋にいた若き学生デ・グリュー(グリュウ)は、この美少女マノンにたちまち一目惚れしてしまい、二人で駆け落ちしようと彼女を説得する。マノンも優しいデ・グリューに心を開く。
マノンに惹かれたのはデ・グリューだけではなかった。好色
な老富豪ムッシューG.Mはマノンの兄レスコーに彼女の身請け話を持ちかけ、大金と引き換えに兄レスコーの同意を取り付けた。
しかし、ムッシューG.Mと兄レスコーが話している間に、マノンはムッシューG.Mの財布を抜き取り、デ・グリューと駆け落ちする。しばらく二人は同棲を続けるが、デ・グリューの留守中にムッシューG.Mが現れ、大金でマノンを説得し、愛人として連れ去ってしまう。
ムッシューG.Mのパーティー会場で、マノンとデ・グリューは再会する。マノンを説得するデ・グリューに、「カードでイカサマしてムッシューG.Mの金を巻き上げられれば一緒に行く」と答えるマノン。だがイカサマは見破られてしまう。
逃げるマノンとデ・グリュー。しかし荷造りの途中でマノンが官に捕まってしまう。アメリカに流刑になるマノン。
デ・グリューはマノンを追ってアメリカに飛んだ。
ニューオルレアンの刑務所に送られたマノン。美しい彼女はすぐに看守の目にとまった。看守がマノンを口説いている所へ踏み込んでくるデ・グリュー。彼は看守を刺してしまい、マノンを連れて逃亡する。
ルイジアナの沼地に逃げ込む二人。疲れ果てたマノンは倒れ、デ・グリューの腕の中で静かに息絶えるのだった。
正直なところ、現在40歳のドロテは16歳には見えないし、レスコー役の方が若いからお兄さんっていうより弟みたいだし、G.Mも青年のようでジジイには見えません
何が言いたいかというと、それを不満に思ったわけではなく、オリジナルの年齢設定との違和感なんてどうでもよくなってしまうほど、満足だったということなのです
ダンサーたちのヴィジュアルからすると、、
美しく奔放で魅惑的な30代の女性マノンは、お金はないがハンサムで心優しい性格のデ・グリューと出会い恋に落ちる。が、したたかな弟レスコーによって、マノンに惚れている金持ちボンクラ息子G.Mの愛人になるよう勧められ、贅沢な暮らしに憧れて愛人になる決心をする。G.Mのことは全く愛しておらず、彼のお金が好きなだけ。お金はないけど純粋に自分を愛するイケメンなデ・グリューのこともやっぱり好きで、贅沢な暮らしを諦めるのは惜しいけど、デ・グリューと生きていくことにする。結局G.Mから恨みを買ってしまったことで逮捕され、アメリカに流刑になる。最終的にデ・グリューの腕の中で死んでしまう。
という感じの方がしっくりくるような
劇中、マノンはデ・グリューとチューしまくりますが、
G.Mとは口にキスはしないんですよ。G.Mはしようとするんですが、マノンははぐらかし続けます
好きな男としか口にはいたしません
イケメンで性格は良いけど金は無い、金はたんまりあるが全く好きじゃない(しかもマノンの物語の中だとジジイ)、この二者択一って古今東西、永遠のテーマですよね
結局、どっちが幸せかって、個人の価値観の問題だと思うんですが、間を取って『普通』が安全で地味だけど幸せなのかなと現代だと、そんな普通のスペックの男子は学生時代の彼女とかと20代のうちに結婚するイメージ『普通』の価値観も個人差があるからなんとも言えませんが、、、貧乏も辛いけど、愛せないのも辛いしね。。。マノンは原作のある作品で、私は原作を読んだことはありません。結局、マノンは最後にデ・グリューの腕の中で死んでいきますが、死ぬ前に熱にうなされて、今までのことを走馬灯のように思い出します。彼女は死んでいく時、『最後にはデ・グリューを選んで彼の腕の中で死ねるならそれで良かった』と思ったのか、『愛して無いけどやっぱりG.Mジジイの所で贅沢三昧を継続するべきだった』と思ったのか、、、。どっちだったのかな
だって、流刑地でマノンの美貌に惹かれた看守にフェ◯させられたり(あれはそういう演出だったよね?!)まあ、愛人できちゃうくらいのしたたかな女性ではありますが、結構辛いですよ。。。
まー、純粋に愛を貫いてるのはデ・グリューだけなかと。マノンは愛より金を選んだりもするし、G.Mだってマノンのいないところで他の娼婦にちょっかい出したりするし、2人の関係に愛は見えない。マノンはG.Mの金を愛しているだけで、G.Mもマノンの美貌と若さを愛しているだけ。
ドロテはとてもチャーミングで成熟した美しさを放っていました。美しいバレエダンサーってやっぱり脚も綺麗
そして、背中や腕の筋肉がすごい羨ましい
マノンという作品はアクロバティックな動きがものすごく多くて、そういった動きをいかに流れと共に自然にこなしていくかはとても重要なわけですが、さすが、ドロテ&ユーゴ・マルシャンは余裕で安心して観れました。
アクロバティックな技がうまくこなせないと、演技の方が二の次になってしまいそうだし、観る側もどっぷり世界に浸ってたのに技が失敗すると一気に現実に戻っちゃう感じになるし、マノンって本当に大変な作品ですな。。。
そういえば、女性ダンサーでボロボロのポワント履いている人は誰もいなかったなぁ(もちろん3幕のドロテは演出上ボロボロ風ポワントでしたが)
バレエ公演って、かなり使い込まれてサテンの部分が全く分からない状態のポワント履いているダンサーがいることも少なくないので、みんな綺麗なポワント履いているのが印象的でした。コジョカルなんて穴空いてそうなの履いて踊ってた時あったし。
マノンって激情型なストーリーなので、もちろんダンサーが素晴らしいからでもありますが、本当に引き込まれました。1階席ははほぼ全員スタンディングオベーションでした
パリオペラ座バレエ団の皆さま、日本に来てくれてありがとう
素晴らしい公演をありがとう
お目当てのダンサーさんたちが初日で怪我とかしないかハラハラしたけど、無事にドロテのマノン全幕観れて嬉しかった
ユーゴ・マルシャンのインスタグラムより↓
カーテンコールでの2人のこのハート❤️、かわいかったし嬉しかった
嗚呼、素晴らしい公演が思い出され興奮が蘇る。。。
ドロテは日本でのお気に入りの場所がラクーアらしく、今回はラクーア行ったのかしら
今回のプログラムにはマクミランがマノンを制作するに至る経緯が書かれていたり、読み応えがありました。
嗚呼、パリに観にいきたい。。。
あと、マノン観るならやっぱり本家ロイヤルバレエのマノンも観たいなぁ。
サラとムンタのマノンもいいなぁ
サラなんて引退も近そうだし、サラのマノンなんてもう観るチャンス無さそう
去年のロイヤルバレエの来日公演、ガラは観に行きましたが、ロミジュリは観なかったことも大後悔。。。
とにかく、世界バレエフェスティバルでドロテは再来日予定ですので、今度は(競争率高そうだけど)S席で良席で
怪我なく過ごして元気に夏に再来日してくれることを心より祈っています