ミッドナイトスワン | アラフォー女子日記

ミッドナイトスワン

テレビで予告編を見た時、草なぎ君の女装姿にびっくり&バックに流れるピアノ音楽が美しくてただならぬ雰囲気がプンプンしていたミッドナイトスワン



邦画を映画館で見たのはいつが最後だったか記憶に無いくらい久々で、、、あ、エヴァンゲリオンも邦画か。
アニメ以外の邦画を映画館で見たのは超久々でした。

元々ソーシャルディスタンスを保つために人数制限があったとはいえ、
平日の3時台の回だけあって空いてて最高でした。
横の列には誰もいないし、足伸ばしまくりで超くつろいで鑑賞できました笑い泣き
そう言えば、色彩鮮やかな写真で有名な某女流カメラマンの方もいらしてましたね〜。

エンドロールが終わるまでほとんどのお客さんが留まっていたのと、上映中びっくりするほど余計な音が聞こえてこなくて皆が食い入るように集中して映画を鑑賞しているように感じました。
私がポップコーンをむしゃむしゃ食べてコーラで流し込む音が周りに聞こえちゃうんじゃないか!?ってハラハラするほど滝汗


さて、肝心の映画ですが、、


これはとっても印象深い映画で、
内容は重くて観ていて辛くて心がえぐられそうになるシーンもあり、手放しでオススメできる映画ではないかもしれない。
眉間にシワ寄りっぱなしでしたゲロー

基本ネタバレさせちゃう私ですが、
より多くの人に観て欲しいのでここでガッツリとネタバレするのは我慢します笑い泣き


そして、珍しく?今回はネタバレを見ずに鑑賞しましたにやり


草なぎくん演じる凪沙はトランスジェンダーで、ニューハーフショークラブで働いています。
凪沙は女装していますが身体は工事前です。
小学生の時には既に自分の性に違和感を感じていた凪沙。学校で海に行った時、なんで自分はスクール水着じゃなくて海パン履いてるんだろうと思っていた。それからもうずっと苦しんでいます。

私は自分の性に違和感を感じたことが無いし、
日本はまだまだLGBTに対する容認度は低くて偏見を持っている人も少なくないわけで(どこぞの区議みたいに)
ことさらトランスジェンダーの人は色眼鏡で見られることも多いだろうし生き難いだろうな。。

以前、凪沙のような人のドキュメンタリーを見たことがあって、凪沙が抱えている苦悩とかなり近いものがありました。

映画の中で凪沙の同僚が、付き合ってる男に何度も騙されて貢ぐために風俗に落ちていくというシーンがありますが、
これはノンケ、LGBT問わずあり得ることだけど、
ノンケの人に比べて出会いの絶対数が少ないLGBTの人にとっては、相手に対する執着も強くなるだろうし、こういう方向に向かっちゃいがちなんだろうなぁ。

ちなみに、私の友人(ゲイ)はゲイのマッチングアプリ使ってましたが、やっぱり最近の出会いの主流はセクシャリティ問わずマッチングアプリなのかな笑い泣き


話しが少し逸れましたが、
映画では全編を通してトランスジェンダーの苦悩が描かれています。

凪沙は定期的にホルモン注射を打ってるんですが、
副作用が辛そうで。。
吐き気や脂汗やフラつき等凪沙は体調が悪そうなシーンが多いです。

凪沙が住んでいるアパートはおそらく2丁目から程遠くない場所で、注射で通っている病院もおそらくその界隈。注射を打ってくれる看護士さんの爪がめっちゃ派手なのが印象的でした。
あのエリアだと看護士さんてネイルアートOKなのかな。実際はどうなのか分かりませんが、なんだかやけにリアルに感じました。  

あと気になったのが、凪沙が自宅で読んでる漫画がらんま1/2なんですよ。性が入れ替わるっていう漫画のストーリーにリンクしてるんだよね、きっと。


地元広島の従姉妹の娘である一果(中学生)を預かることになる凪沙。

一果役がこの映画で初めて演技をしたという服部樹咲ちゃん。
とにかく目力の強いお嬢さんなので、演技は初めてでもセリフがあまり多くないこともあり違和感が無かったです。

一果はシングルマザーである母親(水川あさみ)のネグレクトがきっかけで東京にいる凪沙に一時的に預けられるのでした。

預けられるって言っても凪沙のアパートは2人で住むにはかなり手狭。
母親からの愛情に飢えている一果は無口で表情も乏しいのですが、バレエをきっかけに変わっていきます。

凪沙は女性の身体を手に入れるための手術費用をコツコツと貯めていますが、お給料は高が知れているし、ショークラブの同僚が男に騙されて貢いでいてお金貸してあげたりなかなか貯まらないんですよ。

その上、一果がバレエ習い始めて頭角を現しコンクールなんぞ出始めればすごくお金がかかります。
芸術のお稽古事は真剣に取り組めば取り組むほどお金かかるよ。
バレエのお金を払う余裕なんぞ凪沙にはなかったので一果の才能に惚れ込んだバレエの先生がお月謝免除しますと申し出てくれるのですが、そこは譲らずに凪沙はちゃんと払いますと言います。

もうその頃にはすっかり凪沙には母性が目覚めていて、一果と出会った時の凪沙は『子供が嫌い』と言っていたのにすっかりに母の顔になっています。

バレエの先生(真飛聖)がうっかり凪沙のことを『(一果の)お母さん』と言ってしまうシーンがあるのですが、その時の凪沙の嬉しそうな表情は忘れられません。

この映画って『このシーン、きっとこうなっちゃうんだろうな』って予感が的中するような分かりやすいシーンもあるんですが、私はそれが嫌じゃなかったし、気付くと凪沙に感情移入していました。

凪沙は一果のバレエを応援するために自分を犠牲にしてお金を稼ごうと決意するんですが、特にこの辺りから観ていて辛かった。。

世の中にはいろんな性癖の人がいます。
昔、興味本位でアダルトビデオ店にに友達と一緒に入ったことがあるのですが、もうびっくりするぐらいマニアックな超ニッチな内容のビデオとかあってびっくりしました。
これを観て興奮する人がいるのかと。
きっとそういう人って普通のセックスじゃぜんぜん興奮しないんだろうなぁ。
あと、タブーだったり、なんか背徳感があることに対して興奮する人は一定数いますよね。



凪沙は女性になりたかった。
身体は女性になっても叶わない部分はあるわけで、一果に出会ったことで母性を持つことができた。
それって凪沙にとっては幸せなことだったのかもしれない。でも、その代償はものすごく大きくて、総合的に見ると凪沙の人生ってやっぱりかなりしんどいものだったんじゃないか。
一果と出会わなかった方がここまで辛い思いをしなくて済んだんじゃないか?とか考えてしまいました。

一果もバレエに目覚めなかったら中学生が背負うにはかなりハードな人生だったと思う。
うーん、でも一果がバレエに真剣にならなかったら残酷な凪沙の姿を目の当たりにすることはなかっただろうけど、やっぱり虐待やネグレクトされた状況は辛いよなぁ。

何年か前に友人(ゲイ)に誘われて代々木公園で開催されていたLGBTのイベントに行きました。
その友人はとある出版社からLGBTのカルチャー雑誌を出す予定で金策に走っていました。
結果的には実現しませんでしたが、もし実現していたら面白いものができていただろうな。

そのLGBTのイベントなんですが、ものすごくエネルギーがあって、帰りにぐったりしてしまうほどでした。
なんか独特なんですけどポジティブなエネルギーを感じたんですよね。


LGBTの人たちが皆、闇深くネガティブなオーラを放っているわけではないと思います。中には悩んだ末に振り切ってる人もいるだろうし、その辺はLなのかGなのかBなのかTなのかも大きく影響していると思う。

やはり差別はとなり合わせだし、
凪沙のようなトランスジェンダーの人は特に選べる職業は狭まるし、生活環境が都市ではなく閉鎖的な田舎であれば差別や偏見はより酷い。そういう状況が劇中で良く描かれていたと思います。

広島の田舎に連れ戻された一果を凪沙が迎えに行くのですが、このシーンもきつかったし、
中学を卒業して凪沙に会うために一果が東京に向かい再会するシーンもえぐかった。。

どちらも15歳の少女が受け止めるにはかなりハードな状況ですよ。。

凪沙は最後に一果に会えて良かったよしょぼん
あのまま会えなかったら救われないですよ。。


一果を演じた服部樹咲ちゃんはリアルガチバレエ少女で、ユースアメリカグランプリの日本予選のファイナリストという実力の持ち主。
リアルガチなバレエ少女なので、バレエシーンは全て彼女が踊っています。

それがこの映画の説得力を増してる。

例えば、ブラックスワンのナタリーポートマンとか、本人が踊ってるシーンは『え?これがバレエ団のトップ滝汗ゲロー!?』と首を傾げたくなりましたが、
(なのでボディダブルだったバレエシーンがある)
そんなのは当たり前なわけで、どんな演技派の女優さんでもたかだか1年バレエの特訓を受けたとしてもリアリティのあるバレエダンサーを演じることはできません。
(ナタリーは小さい頃経験はあったようですがどんなに頑張っても簡単にはブランクは埋まらないですよ)

監督の内田さんは、LGBTの映画もバレエを題材にした映画も撮ってみたかったようで、結果的には合体させた映画になったとか。


登場人物のキャラがそれぞれ立っていて、スピンオフ映画が何本も撮れそうなほど。

一果がコンクールで踊る最初のヴァリエーションがアレルキナーダなんですが、樹咲ちゃん自身もコンクールでアレルキナーダ踊ってたようです。
一果の友人のりんちゃんも存在感を放ってました。
真剣にバレエに取り組んでる割には結構太めな体型が気になったけど笑い泣き
思春期で太りやすかったりするからあれはあれでむしろリアルなのか??

この一果の友達のりんちゃんが良い例ですが、
一見なんの不自由なく幸せそうに見える人も何かしら抱えているものがあって、最近有名人の自殺が相次ぎましたが、本当に当人にしか分からない苦しみってあるんだよね。。

美しいバレエシーンは辛いストーリーの中ですごく際立ってました。
樹咲ちゃん、168cmで小顔でスタイルも良くて、やっぱりもう佇まいがバレリーナなんですよ。

最初のバレエ習い始めたばかりの頃のシーンとか、
下手に見せようとがんばってるなって感じでしたもん。

若くして真剣に取り組める好きなことがあるって本当に羨ましい。しかも才能まであるなんて。
個人的には女優の道よりバレエの道を進んで欲しいと思うのですが、、この先どうなるんだろう?

役者さんで成功する人も一握りだと思うけど、
バレエダンサーってもっと厳しいと思うので、せっかくバレエの才能があるならもったいないなーとおばさんは思ってしまいます。


ミッドナイトスワンは凪沙役をみんなが知っている草なぎ君が演じたことで注目が集まったと言えますが、
もう凪沙役は草なぎ君以外には考えられないほどで、
この作品は彼の代表作になったよなー。

草なぎ君のねっとりした口調?がすごくハマってました。(褒めてます)
草なぎ君の演技ってすごく上手いなって思う時と、なんか違和感あるような?って時があったような。
でも、表情とかほんと凄かったです。

ハッピーエンドとは言えないけど、
最後、凪沙は幸せだったかなぁ。
これでもかって言うくらい凪沙の辛い状況を目の当たりにしたので、最終的に凪沙が一果と出会って良かった、幸せだったって思えたのだったら救いがあるし、
本当の意味で一果の希望に繋がると思う。

925秒の予告編↓



これ見たらまた観たくなってきた笑い泣き

映画見てから3日経ちましたが未だに余韻に浸ってしまうほどずっしりくる映画なのでした。