『だれの息子でもない』 神林 長平
だれの息子でもない
解説:大森 望 (講談社文庫) 初版:2017年5月16日 (2014年11月に講談社より刊行) |
神林の本は9冊目で、どれもそこそこ楽しめて読めるのだが、これは傑作だというのになかなか当たらない。
各家庭に携帯型対空ミサイルが配備された近未来という設定で、これはコメディなのかなと思ってたが、そうでもないような。
亡くなった人のネットアバターをデリートする仕事をしている「ぼく」の前に、女に入れ込んで逃げて死んだろくでもない親父のアバターが現れる・・・。
全体にコミカル調ながらラストは少々しんみり。
未来が神林に追いつけないなら、私は彼の背中すら見えないのかといささかさびしくなったな。