『アンチェルの蝶』 遠田 潤子 | たまらなく孤独で、熱い街

『アンチェルの蝶』 遠田 潤子

アンチェルの蝶 (光文社文庫)

アンチェルの蝶
著者:遠田 潤子

解説:香山 二三郎

(光文社文庫)

初版:2014年1月20日

(2011年12月に光文社より刊行)

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これはかなり長い間忘れ得ぬ印象を残しそうです。

父から継いだ殺風景で愛想もない居酒屋を細々とやっている藤太の所に現れたのは、中学卒業以来顔を合わせたこともなかった秋雄だが、いづみの子を頼むと言い残して去ってしまう。

藤太、秋雄、いづみの3人は、親がギャンブル仲間だったので、自然にかばいあうように強いきずなで結ばれた友情をはぐくんでいたのだが、なぜ3人は中学卒業と共に疎遠になってしまったのか・・・。

徐々に真相が露わになるにつれて、その重さと絶望さにやるせなくなりました。