漢検を文部科学省の直轄事業にすればよい | つれづれ草

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私をはじめ、みんなが心の片隅で思っていても口には出せないような事を取り上げて書いてみたいと考えています。

今日の日経新聞によると、漢検の受験者は92年度には12万人だったが、8年度は280万人に増えたそうだ。麻生首相の漢字の読み違いが話題になったこともあり、いま漢字がちょっとしたブームになっているようである。漢字を正しく読み書きできるように努力することは結構なことで、検定を中止したり、あるいは検定料を下げるのには反対である。これを財団の事業としてではなく、文部科学省の直轄にすればどうだろうか?検定合格者に一層のハクが付くだろうし、入試、就職に有利になるとすれば受験者が殺到するだろう。漢検の前理事長と副理事長が私物化して巨額のカネを不正に流用していたということだが、不祥事を防ぐためには検定料の払い込み先を「国庫納付金」として国の収入になるようにすればよい。民間では不景気で、どうしたら売り上げが増えるか四苦八苦しているのに、漢検の受験希望者は年々、増え続けているという絶好のカネ儲けの機会を生かさない手はない。国家の税収不足を補うのに「消費税アップ」と叫ぶだけが能でなく、ムダな支出を減らし、そして収入アップを図ればよいのだから。


ところで、前理事長と副理事長は大久保という姓だが、江戸幕府の草創期に徳川家康に重用された大久保長安という人物がいたことを思い出した。長安は甲斐の武田氏の家臣だったが、武田氏が滅亡後に家康に仕え、各地の金山、銀山の奉行を務めた。長安は天才的な鉱山経営の才があり、金銀の生産を飛躍的に伸ばしたのである。そして莫大な私財を蓄え、贅沢のし放題だったらしい。これを質素倹約を旨としケチな家康が知らないわけがなく、家康は見て見ぬ振りをしていたのだろう。長安の死後、幕府は待ってましたとばかりに長安の不正を厳しく追求し、全財産は没収、息子7人は全員、切腹という処分を下した。つまり長安の生きている間は鉱山の経営にあたらせて、そのスゴ腕を存分に発揮させたのである。


漢検の大久保前理事長も、国民に漢字に関心を持たせ、それを事業として大きく伸ばした手腕は大したものである。大久保氏には、これからも財団の運営に尽力してもらい、その収益だけは国が没収という形にすればよいのではないか?もし家康ならば、特殊な才能を持った人物は少々の不祥事があったとしても、死ぬまで働いてもらうだろうとも思ってしまう。