本間氏の政府税調会長の辞任雑感 | つれづれ草

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私をはじめ、みんなが心の片隅で思っていても口には出せないような事を取り上げて書いてみたいと考えています。

政府税調の会長だった本間教授が辞任した。私はよく事情を知らないが、東京の公務員宿舎に愛人女性を住まわせていたということが問題となったようだ。本間氏は企業には減税をして個人には増税という意見だったとも聞き、企業減税をしなくては国際競争力に負ける、という論法らしい。なるほど、国際競争力か。そういえば経団連会長はキャノンの会長だが、私が愛用しているキャノンのプリンターはほんとうに素晴らしい出来である。私はプリンターはほとんど黒しか使わず、青とか黄色、赤は滅多に使わないが、もし青のインクが切れると、800円ていどの青のインクを補充しないことには絶対に動かないように設計されている。プリンターが使用できないと仕事に支障が出るので、使う予定のないカラーのインクのスペアを常備せざるを得ないので会社は儲かるはずである。ほかに高収益企業としてトヨタが有名だが、高級車と思われていたマークⅡのグランデのリアマフラーパイプは鉄製であるから、マフラーは全部、鉄製だろう。鉄は錆びるので、5年か6年程度で劣化するため交換しなくてはならない。そのマフラー代と交換費用は相当に高額のはずだからトヨタも販売会社も儲かる。その点、私の乗っているスカイラインを製造している日産はゴーンさんが来る以前は、さすがに低収益会社だったらしく、走行性能に関する部品は気前よく高価な材料を使っている。リアマフラーのパイプは高いコストのステンレス製であるから、マフラーはステンレス製だろう。ステンレスは錆びないので交換の必要がなく、日産も販売会社も儲からない。日産は内装にはカネをケチるが、車の内部の目に見えない部分、例えばショックアブソーバーには相当に高性能な部品を使っているようで、それなのに販売価格は安いのでトヨタほど儲からなかったようだ。 ほとんどの人が知らないと思うタイミングベルトも、やく10万キロごとに交換しなくてはいけない。これが切れるとエンジンが止まるからである。高速道路で走行中に切れてエンジンが止まると大変な事故が起こる可能性もあり、もし死者でも出れば葬儀屋まで儲かる経済効果が生まれる。タイミングベルトの交換はエンジンの脱着が必要なので、原価の10倍以上で購入する純正部品と脱着工賃で総額やく10万円はかかるが、鋼鉄製のタイミングチェーンだと20万キロまでは大丈夫だろうから、10万キロでは交換の必要がない。日産の最近のクルマはタイミングチェーンを採用している車が多いので、また儲からなくなる。


会社はいくら儲かっても、そこで働く勤労者は名目上の収入は増えたところで、税金も大幅に増えるので実質収入は増えず、さらに一定以上の年収の人は個人の裁量に任せます、と言われると、これ以上に過労死を強いるつもりか?と思うだろう。サラリ-マンが有給休暇を使うときは病気で会社を休むときで、盆と年末年始の休みは、一週間づつしかなく、普段の勤務では付き合い残業、サービス残業はザラの現状を改善どころか改悪なのだから、サラリ-マンはもっと怒ればどうか?だいたい、裁量労働制を認めよ、という人は自分の労働条件をよーく考えてみるればよい。関西大学の名誉教授で読書家としても有名な谷沢永一氏によると「乞食と大学教授は三日やるとやめられない」らしい。私の大学生のころの教授は10年前と同じ教材を使って週に何時間かしか講義をしていなかったが、少ない講義日でもよく休講があった。関西在住の大学教授が政府の委員になったりすると大学での仕事は休み放題だろうし、新幹線のグリーン車で東京出張ならば結構な日当も出るだろう。仕事で過労死どころか、体力も余っているらしく愛人まで囲うことが出来るらしいので、随分と結構な環境である。このような人に「勤労者はもっと税金を払え」と言われたくないだろう。


大多数のモノを言わない国民、いわゆるサイレントマジョリティーは、見事に巨大与党、テレビ新聞など巨大マスコミ、社会の実情を知らずに大学で理論ばかり唱える学者などに騙されていると思う。弱い立場にいる人が「痛みに耐えなくては」などと人のよいことを言っている場合ではない。中国には「一将功なりて万骨枯る」という諺(ことわざ)がある。これは一人の将軍の大きな功績は、何万人もの兵士の屍(しかばね)の上に成り立っている、という意味だが、現在の日本では「会社が儲かるのは、労働者の過労死の上に成り立っている」と置きかえれれるだろう。国際競争力をつけて収益をあげよ、というのは大株主である外人投資家の意見だろう。企業収益アップ→株価と配当アップ→巨額のカネを得て、そのカネで夏休みに一ヶ月くらいの休暇をとり、リゾート地の高級ホテルのプールサイドでくつろぐ、という構図である。白人にとって、日本人が過労死しようが自殺しようが、そんなことは関心がないのである。もう次の選挙では、庶民にばかり痛みを強いる政策を提言する政党なんか投票権を行使して見限りましょう。