事業承継を行ううえでの課題を認識したA社の社長は、それぞれの課題を解決していくための対応を明らかにしていきました。
従業員に不安を抱かせないための対応としては、事業承継準備をスタートさせる段階で、全従業員を集めて6年後をめどに事業承継を行うことを発表することにしました。
後継者の覚悟を後押しすることと事業承継に対する従業員の協力を得る体制を築くことができると考えたからです。
後継者に変革を成し遂げる能力を身に着けさせることに対しては、後継者を補佐する幹部社員を選定したうえで会社の課題を解決するための方針を見出すための会議を定期的に開催することと、
顧問専門家にも加わってもらう事業承継塾を毎月社内で開催することを決めました。
方針会議に関しては、当面の間は社長も参加することにしましたが、時機を見て後継者と幹部社員だけで運営してもらい、後継者に結果の報告を義務付ける体制にすることも決めました。
後継者に財務管理能力を身に着けさせることに関しては、社長自身が、経営計画の策定から進捗管理、経理面の数字の管理までをマンツーマンで教えることにしました。
加えて、金融機関を訪問する時にも後継者を同席させることにしました。
金融機関の不安解消と顧問専門家との関係維持に関しては、社長と後継者、顧問専門家の三位一体で経営を改善するための計画を立て進捗管理を行う体制を構築し、そのことと事業承継の計画を金融機関に説明することで対応することを決めました。
株式の移転に関しては、社長の家族の理解を取り付けたうえで、顧問専門家(税理士)指導の下で、計画的に移転することにしました。
※大庭経営労務相談所は、「次期社長」、「事業を継いだばかりの新米社長」の経営を全力で応援しています
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