2024 弥生賞(予想と買い目) | 競馬解読教室

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GIを中心に予想します。今週は新潟二歳Sです!

 最近は有力馬が休み明けでクラシックに直行するパターンが増えており、トライヤルがかえって手薄になるケースが多い。弥生賞しかりで、今年の弥生賞も11頭立て。去年よりも更に1頭少なくなった。とはいえ今年は、京都2歳Sで重賞勝ちの実績があり、GI②着の実績もあるシンエンペラー、中山芝2000m2戦2勝で前走の勝ち方が圧巻だったトロヴァトーレ、同じく2戦2勝馬で前走でGI馬レガレイラを負かしているダノンエアズロックが出走してきたため、例年以上にメンバーが揃った印象であり、少数精鋭のレベルの高いレースが見られそうだが、予想のポイントは、この3頭の序列だろう。

 

 弥生賞と皐月賞はともに中山芝2000mで行われるが、弥生賞のデフォルトは2.01.2(36.0=50.1=35.1:+0.9秒)は、皐月賞のデフォルトの1.59.3(35.1=48.4=35.8:落差ー0.7秒)とは大きく異なる。皐月賞との比較で言えば、弥生賞というレースは、本番を見据えたトライヤルらしく、道中のぺースが緩みがちであり、上り勝負になりやすい。ましてや今年の弥生賞は少数頭立て(11頭立て)、しかも強力な逃げ馬不在のレースになったので、例年通りのSペースになる確率は高いと思われる。ペースを考えると、12頭立てとはいえ、最後方から追い込みは厳しいと思われるので、Sペースからの上りの競馬に対応できる馬、しかもなるべく前目の位置から速い末脚を使える馬を狙いたい

 

 本命は◎シンエンペラーとした。この馬を評価しているのは前走ホープフルSの内容だ。前走の勝ち時計2.00.2(35.4=48.9=35.9:落差ー0.5秒)は、GI昇格後の2017~2022年に良馬場で行われたホープフルSのデフォルトの2.01.5(36.5=48.8=36.2:落差+0.3秒)に比べて、テンが1.1秒速く、中盤が0.1秒遅く、上りが0.3秒速く、勝ち時計が1.3秒速い優秀な時計だった。しかもホープフルS当日が時計のかかる馬場状態だったことを考えると、この時計は評価できる。このレースは前半がHペースになったため、3~4角で逃げ先行馬の脚色が鈍り、4角出口では7頭が大きくヨコにひらく形。完全に差し馬に有利な瞬発力競馬となったにもかかわらず、シンエンペラーは直線入り口では1列目からしっかりと伸び、いったんは完全に抜け出した。最後は1頭になってソラを使ったため、レガレイラに差されてしまったが、あの②着の内容は立派。しかもゴール直前では、レガレイラとサンライズジパング(次走若駒S①着馬)の差し馬2頭に差し込まれそうな流れにだったが……シンエンペラーは2頭が来るともうひと伸び。ゆえに、このレースはHペースにも関わらず、ラスト1Fが11.5秒を記録した。ここでシンエンペラーは、サンライズジパングのことをもう一度完全に突き放しており、レガレイラの切れ味には屈したものの、地力上位馬の意地はしっかりと見せていた。

 今回この馬を推したいもう一つの理由は鞍上のスイッチ。矢作調教師は前走手綱をとったムルザバエフ騎手が空いているにも関わらず、鞍上を川田騎手にスイッチした!これは何故か?想像だが、恐らく川田騎手はジャンタルマンタルではなく、シンエンペラーで皐月賞、ダービーに行くつもりなのではないか。シンエンペラーは欧州でも十分通用する血統の持ち主だが、世界的トレーナーである矢作調教師は、常に「日本騎手で海外GIを勝つ!」ということにこだわっており、このムルザバエフ→川田への乗り替わりは、将来の海外遠征(凱旋門賞)まで見据えた上での決断である可能性が高い。もちろん、この馬は既に十分な賞金を持っているため、今回は100%の仕上げではなく、②~③着に取りこぼす可能性がゼロではない。それでも、クラシック本番前に川田騎手を乗せてきたからには、たとえ仕上がり途上であったとしても、無様な姿は見せないハズだ。近5年でいえば、GI昇格後は、ホープフルS連対馬の弥生賞での成績は{0.1.2.0}と馬券圏内は外していない。ジャンダルム、トップナイフ、ダノンザキッドよりは、明らかに能力上位のシンエンペラーが③着以下に落ちることはない!◎シンエンペラーで男なら勝負だ!

 

 相手筆頭は○トロヴァトーレだ。もし、仕上がり途上のシンエンペラーを負かす馬がいるとすれば、たぶん、この馬だろう。前走葉牡丹賞で見せた切れ味は、差し馬向きの流れだったことを割り引いても、素晴らしかった。あれだけの切れ味があれば、Sペースの弥生賞であっても、後方からでも届く可能性がある。そもそも、ルメール騎手はSペースになれば、ある程度位置をとりに行くので、脚を余して負ける可能性は小さいとみる。ある程度位置をとっても、この馬の切れ味は脅威だ。聞くところによると、3歳馬中山芝2000mで2戦連続上り3F33秒台をマークしたのは、過去にマカヒキただ一頭のみ。トロヴァトーレが2頭目だそうだ。そのマカヒキは弥生賞①着、皐月賞②着、ダービー①着の実績馬であったことを考えると、もしトロヴァトーレがここを勝つようなことがあれば、将来の展望は大きく開けてくるだろう。3番手は▲ダノンエアズロック。前走アイビーSを見る限り、この馬は血統どおりのマイラーだと思う。東京芝1800mに比べれば上りに時計のかかるタフな競馬は決して向いていない。とはいえ、芝のレースでキング騎手が逃げ・先行馬に乗った時の安定感はハンパないので、③着はキープしてくれるかも。ここで惜敗した後、NHKマイルCに進めばGI制覇は固いだろう。以下は押さえの評価になるが、△シュバルツクーゲル、△ファビュラススター、△ニシノフィアンスまで。

(結果)

◎シンエンペラー (②着 3人気)

〇トロヴァトーレ

▲ダノンエアズロック

△シュバルツクーゲル

△ファビュラススター

△ニシノフィアンス

 

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