2023 アイビスSD(レース傾向) | 競馬解読教室

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 アイビスSDは、新潟の開幕週を飾る夏の風物詩。この重賞に限らず、とにかく新潟直線1000mは外枠有利の傾向が顕著であるため、この重賞だけは、枠順が出る前に印を打つことは難しいのだが、週頭の段階では、まずはこのレースの特徴・傾向を確認しつつ、「外枠に入ったら是非買いたい馬」という前提で事前予想を進めたいと思う。

 

1 このレースの傾向と対策として憶えておきたい以下の5点である。

(1)外枠有利 

 今更言うまでもないことだが、新潟の芝直線1000mは、開幕週であっても、外枠が断然有利。過去10年の連対馬10頭の枠番は、1~4枠が5頭だったのに対し、5~8枠はその3倍の15頭。外枠の内訳は、5枠2頭、6枠3頭、7枠4頭、8枠6頭であり、やはり大外の8枠の成績が最も良い。もう1点注意したいのは内枠では2枠が3連対していること。8枠だけは特別だが、基本的に2枠の好走確率は5~7枠と大差がないという事実は憶えておきたい。過去10年で7枠も8枠も絡まなかったのは2016年のたった1回(枠連2-6)だけ!そう考えると、基本的に、7枠又は8枠のどちらかから軸馬を選ぶ馬券作戦が正解だろう。ちなみに、2枠の両隣の1枠と3枠は0連対。正確な理由は不明であり、この2枠の好成績の理由は不明だが、ともあれ、内枠では2枠に注意したい。

 

(2)5歳馬有利 

 連対馬の年齢に注目すると、3~5歳世代、特に5歳の活躍が目立っている。一般論として、持久力と瞬発力を比べた場合、瞬発力の方が、より経年劣化の度合いが激しいもの。それは人間だけに当て嵌まる話ではなく、競走馬とて、同じこと。長距離戦ならば高齢馬でも戦えるが、1000mの究極の瞬発力競馬ともなると、高齢馬には厳しいのだ。過去10年のアイビスSDの連対馬を見ると、5歳の9連対が最多。4歳馬も4連対、3歳馬も3連対しているので、4~5歳の若い世代で16連対(16/20頭)も占めている。対照的に6歳馬は1連対、7歳は3連対に止まっており、高齢馬は割引が必要だ。特に不振なのは6歳馬。10年間で40頭近く出走しているのに、1連対しかできていないのだから、劣勢なのは間違いない。

 

(3)1000mの直線競馬の経験のある馬が優位 

 過去10年の勝ち馬のうち、2012年のパドトロワ、2015年のベルカント、2021年のオールアットワンスを除く7頭には、直線1000mのOP競走に出走し、掲示板に載った経験があった。アイビスSDは日本で唯一の直線競馬の重賞競走であり、他の重賞とは異質なレース。やはり、ハイレベルの芝1000mを走った経験の有無と、そこでの好走経験には大きな意味がある。逆に、経験のない馬には不利なレースだと言える。

 1000mの中でも、特に韋駄天S好走馬には注目したい。2014年にアイビスSDのステップレースとして創設された韋駄天Sの好走馬は、アイビスSDでも好走する確率が非常に高い。2014年以降、韋駄天Sの連対馬がアイビスSDに直行したケースは10回あったが、該当馬9頭のアイビスSDでの成績は、{2・4・1・3}!!昨年は韋駄天Sの勝ち馬マリアズハートがアイビスSDで⑦着(5人気)に敗れてしまったが、前記10頭中7頭が馬券に絡んでいる点は重要。アイビスSDに直行してきた韋駄天S連対馬は、基本的に、黙って「買い」である。

 

(4)1番人気が強い 

 この重賞は1番人気が強いレース。昨年こそ、1人気のヴェントヴォ―チェが⑨着に敗れてしまったが、直近の10年でいうと、1番人気はなんと7勝、9連対!!{7・2・0・1}。JRAの重賞競走で、ここまで1番人気が強いレースも珍しい。これは上記(3)とも関連する話だが、直近7年の1番人気7頭(ベルカント、フィドゥーシア、ダイメイプリンセス、ライオンボス、ライオンボス、オールアットワンス、ヴェントヴォ―チェ)について言えば、5/7頭が新潟芝1000mのOP競走で好走実績のある馬であった。ベルカントは前年のアイビスSD優勝馬、フィドゥーシアは韋駄天S①着馬、ダイメイプリンセスは前走CBC賞で⑨着だったが、前々走韋駄天S①着馬、ライオンボスは韋駄天①着馬、ライオンボスは韋駄天S①着馬であった。オールアットワンスだけはアイビスSDが初の芝千直だったが、見事に①着。昨年1人気で敗れたヴェントボーチェは、3歳時に1勝クラスの芝千直を勝った実績はあったものの、OPの経験がなかった!と言う点がネックだった。1番人気馬にOPの芝千直で好走経験があれば、特にそれが韋駄天Sであるならば、その1番人気馬は信頼できる

 

(5)斤量は重要な要素 

 記憶に新しいところでは、一昨年は3歳牝馬のオールアットワンスが優勝したが、このレースは51キロで出られる3歳牝馬の活躍が目立っており、過去10年で3勝もしている。対照的に、このレースは斤量の重い馬は苦戦傾向にある。やはり、重い斤量は1000mに必要なダッシュ力に影響があるのだろう。ライオンボスは過去4回このレースに出走し、結果は①着(56キロ)、②着(57キロ)、②着(57キロ)、⑩着(58キロ)。今年でこのレースに5年連続の挑戦となるが、今年のポイントは57キロに戻るだけに、もしかしたら・・・。今回1人気が予想されるジャングロは58キロ。3歳時にG2のNZTを勝った実力馬であり、このメンバーに入れば実力上位であることは間違いないが、初の芝千直で58キロ・・・課題は多そうだ。

 

 

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