2021 菊花賞(ステップレース検証:皐月賞とダービー) | 競馬解読教室

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 今年の皐月賞はレベルが高かった。当日は稍重だったので、勝ち時計2.00.6(36.3=47.3=37.0)は、インパクトが薄いかもしれないが、馬場差を考えれば、歴代の皐月賞の中でも上々の部類。レベルが高かったからこそ、皐月①着馬と②着馬がダービーでも②着・③着できたわけである。ダービーで通用する皐月賞とは、(1)前後5Fが前傾ラップではないこと、(2)皐月賞の当日又は前日に行われる古馬2勝級の鹿野山特別より勝ち時計が1秒以上速いこと、を両方満たす皐月賞のことであるが、今年は(1)皐月賞の前後5がF60.3=60.3、(2)鹿野山特別の勝ち時計が2.02.3(36.4=49.8=36.1)であったため、2つの条件をクリア。今年の皐月賞はダービーでも通用する皐月賞であった。

 ちなみに、今年の皐月賞の前3F・中4F・後3Fのラップは、中山競馬場で行われた直近10回の皐月賞のデフォルト35.1=48.4=35.8に比べて、テン3Fが1.2秒遅く、中盤4Fが1.1秒速く、上り3Fが1.2秒遅く、勝ち時計は1.3秒遅かった。レースの流れとして、差し馬に有利な流れだったと考えているので、①着エフフォーリア、②着タイトルホルダーは不利な流れを克服しての好走だっただけに、価値があると言えるだろう。確かに皐月賞当日の中山はイン有利の内伸び馬場だったため、外を回った馬に比べて①、②着馬が「通ったコース」という意味でアドバンテージを持っていたのは確か。それでも、総合的に考えれば、この①②着馬は強かったと思う。対照的に③着ステラヴェローチェは、「差し有利」な流れに上手に乗っての好走だったという点は憶えておきたい。

 

 次にダービーだが、こちらも例年よりもハイレベルだった。勝ち時計2.22.5(48.0=49.2=45.3)は、ダービーの過去10年のデフォルト2.24.8(48.1=49.6=47.1)に比べて2.3秒も速かった。また、勝ち時計だけではなく、ラップも優秀。前中後3Fを調べると、テン3Fが0.1秒速く、中盤3Fが0.4秒速く、上り3Fに関しては、なんと1.8秒も速かった!今年のダービーは前半が遅かっただけに時計がでづらいレースだったと思うのだが、それでこの時計は非常に優秀だったと考えるべき。

 レースの流れとしては、先行馬に断然有利な流れ。例年のダービーの流れからすれば、先行馬が残っても不思議のない流れだった。にもかかわらず、この流れなのに差し馬が上位を独占したのは正に驚きであり、この上位①~④着の差し馬、すなわちシャフリヤール、エフフォーリア、ステラヴェローチェ、グレートマジシャンの4頭は「相当強い!」と考えている。また、上位3頭が上り第一位~第三位馬であることから分かるように、今年のダービーは能力通りの決着だったと考えていいだろう。

 

 以上をまとめると、今年の皐月賞とダービーはレベルが高い。レベルが高かったからこそ、上位馬が連動していたわけ。他方、右は2000~2400mの中距離戦での話。今回は全馬初となる阪神芝3000mでの戦いになるだけに、この春のクラシックで証明された力関係を、そのママ、菊花賞にも当てはめてよいか!?が悩みどころ。しかも、2つのレースの勝ち馬であるエフフォーリアとシャフリヤールは菊花賞に出てこない。世代NO.3のステラヴェローチェがところてん式に「相対的なNO.1評価」でいいのか否か!?ソコが今年の菊花賞の最大のポイントだだろう。

 

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