独立選抜書展 盈々一水 | 宇都宮の書道教室【啓桜書道教室】

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独立選抜書展

「盈々一水」 238cm×58cm

東京都美術館で会期は21日(水)まで。

昨年は3行もの、今年は1行の淡墨にチャレンジしました。

盈 々 一 水 どれも書いてみたい漢字が並ぶ熟語で、字面から選びチャレンジしましたが、4文字と言ってもひとつは繰り返し(々) 一は当然ながら横一本 水 と、画数の少ない字が並び、紙面下方の展開や上を支える強さ、紙面左の弱さをどう補うか(どれも偏がない字なので)で苦労しました。普通、作品の山場となる真ん中には、点が2つと棒が一本。々からの一は、ややもすると三に見える形になる。かと言って間を離し過ぎれば一で作品全体が分断される。柱となる縦画もない中でどう中心軸をとるか。白に負けないように強靭な線で紙面支配をした上で、全体を絞めなければなりません。課題は山積みでした。

素材変えればいいのに。いやこれを、書きたい。笑

問答が続きます。

最も苦心したのは水の最終画の処理。長さは、方向は、どのような線で?4ヶ月の制作で約200枚、草稿を練っては書きの繰り返し。視点、足の軸、体の軸、足の使い方から筆の使い方、色々と試し勉強になりました。

まぁ楽しい。こんなに楽しいことはない。笑

「盈々一水」 意味は、

『水が満ちあふれた一筋の川にへだてられた意から、男女が思いを交わしながら会うことのできない苦しみやつらさをいうたとえ。 「盈盈」は、水が満ちあふれるさま。 また、女性の容姿がしなやかで美しい形容。』

あまりみないですよね、恋愛のことを述べる四字熟語。しかも会えない辛さ。あまりそのような経験はなく、この文の意味を考えての制作ではありませんが、水が満ち溢れ、女性のようなしなやかで美しいものを、書きたかったかもしれません。しなやかさのある線は、言葉の上でのしなやかだけでは成り立たず、強靭な張りのある線が求められ、最終的にそれを経て「しなやか」に見える必要があります。

小野﨑くんらしくない作品制作だね?とか、去年より良くなったよ!とか、俺は好きだよとか。もっと表現しろよとか、色々な言葉を会場でいただきました。どれも励みになります。

ずっと同じ自分はいません。作品との対面は過去の自分との対面。いま俺ならどう書くか?今の自分は過去をどうみるか?または過去の自分(作品)は、今の俺をどうみてくれるか。まだまだ楽しみです。


#盈々一水



こちらは日本の書展

「白也詩無敵、、」

李白の詩の素晴らしさを、杜甫が詠んだ句です。





ありがとうございました。

ブログで会期の事前告知ができずにすみません。

また来年もがんばろう🌟