気まま勝手は
けいあゆの身上(しんじょう)



白川のほとりをそぞろ歩いていると

ステキな着物美人に声をかけられた。

ちょうど過日私が
通りかかった人にそうしたように
「写真を撮ってほしい」と。

ただ違っていたのは第一声が英語だったことだ。

彼女は
どうみてもいわゆる外国人旅行客のコスプレではなく
薄色の夏着物を完璧に着こなしていた。

となると、
ワンピース姿の私が
外国人(中国人?)の観光客と思われたのかも。

いや、彼女のスマホの画面は英語表示になっていたから
もしかしたら
彼女は日本語の堪能な外国人だったかもしれない。
大学時代国文科のクラスメイトだった台湾からの留学生を思い出した。

その後のやりとりは互いに日本語。

三十代だろうか
美しい人で
立ち姿を前から横から数枚撮った。






嬉しげにお礼を言って立ち去った彼女だったが

白川沿いにしばらくそぞろ歩くと
再び彼女に出会う。

自撮りに余念のないさまに
今度はコチラから声をかけると

「あら、見られていたの、恥ずかしいわ」
と言いながら再び撮影会。

結い上げた髪や美しく抜かれた衿元、
帯の後ろ姿など
彼女の美点を捉えて
けいあゆカメラマンも張り切った。

自分がひとり歩きの時
撮ってもらいたいように撮る。

我ながら上出来、
彼女も大喜びだ。

ただ出会って写真を撮って別れた

…それだけのことだが
楽しいひとときだった。


京都二日目に白川の辺りでお願いして撮ってもらった写真、

夏の京都のいい記念になった。







ふと見ると
対岸にアオサギくんがいた。


まるでこの店の食客のように泰然としている。




泰然といえば

道の中心に寝そべる黒猫も

人や自転車に動じる風もなく
いかにも堂々たる姿だった。


それはそうよね、
彼らの生きる場処に
観光客やそぞろ歩きの私がお邪魔しているのだから。

"珈琲の美味しい店"との評判に
訪ねてみると
元は町の和食屋だったのを利用したらしい佇まい。

畳の床に座れない身は畳の小上がりに怯んで
四席ばかりのカウンターに座った。

中炒りの豆で煎りたて淹れたての珈琲は
酸味のある好みの味だったが

この器とこの場処では
落ち着いて本は読めない。





京極寺町通りには

リピートしている喫茶店があって


鳩居堂さんを覗いて

東京では買えない品々を買い物した後で






ふらりと立ち寄るのは

上島珈琲店。




京都には

珈琲の名店が数多くあるが


この珈琲店をこころにかけているのは

卒業生のひとりが

大学卒業後、そこに就職したからだ。


真面目だが不器用な彼が

神戸にある本社のことや京都での就職面接でのことを熱く語っていたのが忘れられない。

長身におじいちゃん譲りという黒いマントコートがよく似合っていた。


もちろん店舗では姿は見られないが

なんとなく応援気分で。


過去記事にその彼のことを書いている。

その生真面目ぶりたるや‼️




東京を含めあちこちにある店舗の中で
此処が気に入っているのは




京都らしい奥の深い造りで

混雑や煩い客も少なく

実に静かな落ち着ける場処だからだ。




小一時間の間、近くの客の異動もなく

店のスタッフが客に干渉もしない。


これで商いとして成り立つのか…

ちょっと心配になるほどだが


大きな珈琲チェーンだからフラッグシップとして其処にあるのかもしれない。


柔らかな灯の中で

ゆったりと過ごしていると

こころも脚もほぐれていく。




京都二日目から読み始めた本は

500ページの大作だったが此処で読み終えた。





お肉気分は依然として続き

Takashimayaのレストラン街をのぞいて

惹かれるままにとんかつやさんで

海老と巻き巻きカツ定食





料理の前に運ばれてきたキャベツと漬物は

おかわり自由。






揚げ油の鮮度が信用できないので

外では揚げ物は食べないことにしているけいあゆだが


久しぶりの揚げ物はさっくり揚がって

とても美味だった。

ご飯も漬物もなかなかいい。


もちろんおかわりも楽しんだ。




美味しそうなものがたくさんある通りだが






お腹がいっぱいなのでただ歩くのみ。





折しもジムからメッセージが入って

「お元気ですか?

お待ちしています」

というので

兎にも角にもよく歩いてすこぶる元気…

と答えておいた。


戻ったら京都土産を手に顔を出すことにしよう。


京都では

京料理ばかりでなく

すこぶる美味しい町中華も食べ

食いしん坊としては大満足だが、






そろそろ

自分のごはんも恋しくなってきたところだ。