素人による「いつかはゆかし」へのツッコミシリーズ第2弾です。
こちらのグラフは、「いつかはゆかし」を運営するアブラハム・プライベートバンクのニュースリリースからの引用です。
<引用元>http://abraham-bank.co.jp/news/20121206.html
また、アブラハムグループ社長のブログには、次のような文章が載っています。
<引用元>http://blog.stakaoka.com/archives/52102009.html
これらをさらっと読むと、「やっぱり『いつかはゆかし』すごいなあ」を思ってしまいそうですが、よくよく見るとツッコミどころが満載です。
●「一番リターンの良い商品」を比較することについて
先に紹介したグラフの注釈を読むと、各社で一番リターンの良い商品を対象に比較をしたものだと書かれています。
そう、取り上げられているのはあくまでも「一番リターンの良い商品」だけであり、その他のもっとリターンの低い商品はまったく無視されています。
社長ブログの「ポートフォリオの一例」という表現も同じです。
他のポートフォリオはどうなんだと、とても気になります。
これは、例えば学校で「A組の最高得点は80点だったけど、B組の最高得点は90点だった。だからA組よりB組の方が頭いいんだぜ-」と言っているようなものです。
せめて平均点で較べろよ、とつっこまざるを得ません。
また、「うちの店にはこんな可愛い子がいますぜ、旦那」というキャバクラの客引きの言葉が本当であっても、店の女の子がみんな可愛いとは限らないのと一緒です。
うっかりそんな言葉を信じて店に行くと、とんでもない女の子がテーブルにやってきたりするものです。
何度それで痛い目にあったことか……
●過去実績が高いことについて
一番目のグラフは、「2007年9月~2012年9月までの5年間の平均年利回りを比較」とあります。
つまり、「いつかはゆかし」で一番リターンの良いファンドは「過去5年間で年平均利回り15.34%もあったんだぜー」と言っているわけです。
これを見ると、「そっかー、5年前に『いつかはゆかし』に入ってこのファンドを買っていたら、今頃大儲けだなー」と思ってしまいそうになります。
しかしよく考えると、「いつかはゆかし」は昨年の10月にはじまったばかりのサービスであり、5年前には存在していません。
同じ会社で提供しているサービス「ゆかしスタイル」の方は、5年くらいの実績があるようですが、「そこでずっと推奨してきたファンド」といった表現はどこにもされていません。
それはそうでしょう。
要するに、「過去5年間の実績が高かったファンド」を現在扱っているというだけに過ぎないのです。
(5年前)「このAファンドは良さそうだから推奨しよう」
↓
(現在)「ほら、当社が推奨してきたAファンドはこれだけ高い成績を出しています」
これは、実績が出る前の時点でファンドを選んでいるわけなので、すごい目利きだと言えます。
でも「いつかはゆかし」のやっていることは、こんな感じです。
(現在)「色々ある中から、すでに実績のあるAファンドの扱いを始めよう」
(現在)「ほら、当社の推奨するAファンドはこれだけ高い実績を出しています」
こんな後出しジャンケンは、すごくも何ともありません。
ただ単に、実績のあるファンドを選んだだけです。
もちろん過去に高いリターンを出したファンドは人気が出るので、それらを扱っているのは素晴らしいことだと思います。
しかし、ファンドを見る目とか投資アドバイザー的な意味では、すごくも何ともありません。
社長ブログの「『いつかはゆかし』で提案している海外ファンドのポートフォリオの一例では、過去実績は、15.84%」という一文にもまったく同じことが言えます。
過去に高い実績を出したファンドでポートフォリオを組めばいいなのだけですから、素人の私にもできることです。
いや、もちろん「いつかはゆかし」の担当者が、そんな安直な方法でファンドをセレクトしているとは思いませんよ。
ただ単に、数字上は同じことが素人の私にもできる、というだけの話です、はい。
●国内ファンドでも年利17%超の商品は扱われている
最後のつっこみどころは、グラフの注釈にある「(シャープレシオが0.75以上に限定)」という一文です。
グラフを見ると、国内証券では10%超のファンドの扱いがまったないような印象を受けますが、そんなことはありません。
例えば『DIAM 新興市場日本株ファンド』というファンドは、5年間の年平均利回りが17.24%です。
<参考>http://www.morningstar.co.jp/FundData/SnapShot.do?fnc=2007112902
販売会社を見ると、SBI証券やマネックス証券などで普通に扱われており、けっして特殊なファンドではありません。
グラフではどの国内証券と比較しているか書かれていませんが、それらの国内証券会社で扱われていてもなんら不思議はないと思います。
しかし、この『DIAM新興市場日本株ファンド』がグラフに反映されることはありません。
なぜならシャープレシオが0.73しかないからです。
これは現時点での数字ですが、グラフを作成した昨年9月の時点でも同じようなシャープレシオだった可能性が高いでしょう。
惜しい!
実に惜しい!!
設定基準が「シャープレシオが0.70以上に限定」だったら、『DIAM 新興市場日本株ファンド』を扱っている証券会社がトップだったかもしれません。
見方を変えれば、設定基準が「シャープレシオが0.75以上に限定」だったからこそ、「いつかはゆかし」がトップになった、とも言うこともできます。
ところでこの「シャープレシオが0.75以上」という数字は、誰が、どんな基準で決めたんでしょうね。
調査をした富士経済に聞いてみたいところですが、下記のブログによると向こうは向こうで「そんなもん俺たち聞かれても知らないよ(意訳)」と言っているとかいないとか。
高配当ETFで戦略的インデックス投資日記
「富士経済しらべの件について問い合わせてみた」
http://toyop.net/blog-entry-1577.html
謎が謎を呼びます。
誰かが何らかの思惑を持って調査結果をコントロールしたのかどうかは、私なんぞにはわかりません。
もちろん、シャープレシオが0.75以上だったのは、たまたまだったのかもしれません。
私が言えることは、「ちょっと設定を変えるだけで、調査結果を大きく変えることは可能」というだけですから。
●まとめ
1) 「一番良いリターンのファンド」ってw
2) 「過去5年間の実績が高い」ってw
3) 「シャープレシオ0.75以上限定」ってw
統計など数字のデータは客観的で正しいものだというイメージがありますが、そんなことはありません。
気をつけたいものです。






















